日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2024年6月24日

一般質問➂ 能登から学ぶ 市の災害対策について

※正式な議事録ではありません。

川崎市の防災対策について危機管理管、中原区長に伺います。

設問1

私たちは先月、被災地である能登へボランティア支援に行ってきました。ディスプレイお願いします。

倒壊したままの家屋が散見され、

火災が発生した輪島市の朝市通りは焦げたままのがれきが放置されたままとなっており、

元旦から時が止まったような光景が広がっていました。まだまだ復興は道半ば、被災された方達へのお見舞いをも申し上げるとともに、一刻も早い生活再建を心から願うところです。

避難所から仮設住宅に移られた被災者の方達からお話をお聞きする中で、「自助」を支える「公助」の必要性を再認識しましたので、その観点から市の防災対策について伺って参ります。

まず避難所についてです。被災者の方たちは元旦から突然の避難所生活を余儀なくされました。支援物資もほとんど届かない中、地域で支え合いながら懸命の避難所生活を送られていたとのことです。先日の代表質問で避難所開設訓練について質したところ「災害時に速やかに避難所が開設できるよう、区役所と連携しながら、活動支援に努めていく」との答弁がありました。昨年度の避難所開設訓練の全市、及び区ごとの実施状況を伺います。

答弁1

避難所開設訓練についての御質問でございますが、

令和5年度の訓練実施結果につきましては、全市176箇所の指定避難所のうち123箇所で実施しており、実施率は69.9%となっております。また、各区の指定避難所における実施状況については、川崎区が33箇所中33箇所、開催率100%、幸区が22箇所中22箇所、開催率100%、中原区が29箇所中12箇所、開催率41.4%、高津区が21箇所中13箇所、開催率61.9%、宮前区が25箇所中11箇所、開催率44.0%、多摩区が21箇所中11箇所、開催率52.4%、麻生区が25箇所中21箇所、開催率84.0%となっております。

設問2(中原区長)

ディスプレイお願いします。

中原区の実施状況が少し低い状況です。その要因、今後の取組方針を中原区長に伺います。

答弁2

避難所運営会議による訓練についての御質問でございますが、中原区では、令和元年度は、区内29か所の指定避難所のうち、すべてにおいて避難所運営会議を開催しておりますが、避難所運営訓練については、台風等天候の影響もあり、23か所での実施となっております。令和5年度は、書面会議8か所を含め、避難所運営会議はすべての避難所で開催しておりますが、訓練実施は12か所で、コロナ禍以前に戻っていない状況にございます。この主な原因としては、継続して実施していた会議や訓練がコロナ禍の影響でできなかったこと、また、その間.避難所運営会議の役員が交代し、会議を構成するメンバーのつながり、が希薄になってしまい、開催のノウハウが継承されなかったことなどと考えており、避難所ごとの活動に差が生じております。

今後も見込まれる自然災害の発生に備え、地域防災力の強化を図ることは大変重要と吉えておりますので、今年度につきましては、自主防災組織の会議等の機会を捉え、地域の皆様に対し避難所運営会議等の重要性を丁寧に説明しながら、全避難所で対面での避難所運営会議を開催してまいります。また、より’多くの避難所で訓練が実施できるよう、自主防災組織や学校等と連携した取り組みを進めてまいります。

設問3

ありがとうございます。コロナ前には中原区も100%実施していた年度もあったとのことです。担当課長さんからも地域に足を運んで働きかけていくと心強い回答も事前にお聞きしましたので、中原区、29箇所と指定避難所数も多いですが、ぜひ再スタートまでの支援にご尽力頂ければと思います。

被災者の方たちの生活再建に向けての課題、困難は、ご自宅の解体、修繕、ご自身の仕事、家族の健康状態等それぞれです。被災者一人ひとりのケースに寄り添った災害ケースマネジメントの取組の必要性を改めて感じました。私たちは以前、鳥取県を視察し、自治体、医療、福祉、建築業、弁護士等が連携し、被災者に寄り添った伴奏型の支援を行っている状況を議場でも紹介させていただきました。

被災者の生活復興支援~災害ケースマネジメント~/とりネット/鳥取県公式サイト (tottori.lg.jp)

本市の取組状況を事前にお聞きすると、各局それぞれが各団体との連携は進めているものの、川崎市の災害ケースマネジメントはどのように進めていくのか、全体像が見えてきません。危機管理本部として、どのように進めていくのかロードマップを示すべきだと思いますが、伺います。

答弁3

災害ケースマネジメントについての御質問でございますが、

災害ケースマネジメントは、内閣府の「災害ケースマネジメント実施の手引き」におきまして、「被災者一人ひとりの被災状況や生活状況の課題等を個別の相談等により把握した上で、必要に応じ専門的な能力をもつ関係者と連携しながら、当該課題等の解消に向けて継続的に支援することにより、被災者の自立・生活再建が進むようにマネジメントする取組」と定義づけられております。被災者一人ひとりの課題ごとに必要となる組織・団体は異なることから、柔軟な対応をとることが重要と考えておりまして、各局区と連携して、専門的知見を有する社会福祉協議会及び職能団体の関係者と平時から顔の見える関係づくりを進めているところでございまして、地域防災計画への反映について検討してまいります。

設問4

答弁の通り、さまざまな団体、組織との調整は容易なことではないと思います。しかし、危機管理本部の役割の一つである市の総合調整役として、川崎の災害ケースマネジメントについての早期の見える化に取組んでいただければと思います。

被災者からの声で多かったのはやはりトイレの問題です。本市は携帯、簡易、仮設、マンホールトイレ等を状況に応じて組み合わせて備える。という方針ですが、以前議会でもご紹介した通り、横浜市は全ての地域防災拠点にマンホールトイレの整備を進め、新たに平塚市でも「簡易トイレの備蓄はしているが、マンホールトイレは水洗トイレに近い衛生的な環境を提供できるのが利点」として従来計画を見直し、迅速化を図るとのことです。

下水管を活用 マンホールトイレ、整備急ぐ 平塚市、27年度までに全避難所設置 /神奈川 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

本市は市立学校等の指定避難所と水処理センターを結ぶ下水管の耐震化が2026年度までに完了する予定です。学校には水源となるプールもあります。下水管の耐震化が進んでいる本市にとってマンホールトイレの設置は特に有効だと考えます。地域防災計画に位置付けて指定避難所へのマンホールトイレの整備を進めるべきではないでしょうか。伺います。

答弁4

マンホールトイレにっいての御質問でございますが、

本市においては、避難所や重要な医療機関等と水処理センターを結ぶ下水管きょの耐震化を計画的に進めている状況でございまして、災害時にはマンホールトイレを有効に活用できる可能性が高いと認識しておりますが、マンホーノレトイレの設置には、マンホーノレトイレから下水道本管までの排水に必要な勾配の確保などの劃蒲面、洗浄用の水の確保や夜間利用時の安全確保などの運用面での課題等もございますので、これまでのトイレ対策に重ね、本市の地域特性や潜在的リスク、市民の避難の考え方やトイレ利用におけるオペレーションなど災害時に柔軟に対応できる総合的なトイレ対策について検討してまいります。

設問5 

マンホールトイレについてもう一点お聞きします。発災時に避難所ではなく自宅避難される方の方が多いことは予想されます。人口の7割が集合住宅で暮らす本市ですが、マンション建物内での下水管の破損等があった場合、自宅のトイレが使用できなくなります。横浜市では、マンホールトイレ設置助成制度を創設して、自主的な防災活動を積極的に行っている町内会やマンションの管理組合に仮設トイレといった上部構造物、下水管工事といった下部構造物、雨水貯留タンクを対象に費用の10分の9、上限30万円まで助成を行っています。集合住宅にお住いの方のトイレ対策の支援として本市も実施するべきではないでしょうか。伺います。

答弁5

災害時トイレの設置支援についての御質問でございますが、

これまでの災害時における集合住宅におけるトイレにつきましては、使用可否が確認できるまでは、携帯トイレなどで対応していただくことを想定していたことから、集合住宅におけるマンホールトイレの設置を目的とした助成制度はございませんが、助成制度を実施している自治体の運用状況などを把握するとともに、本市で運用しております様々な助成制度の活用を含め、地域における災害時トイレの整備について検討を進めてまいります。

設問6

様々な助成金の一つに自主防災組織の防災資材購入補助金があります。

川崎市 : 自主防災組織の手引き (city.kawasaki.jp)

川崎市 : 川崎市自主防災組織防災資器材購入補助金交付制度 (city.kawasaki.jp)

例えば購入品目一覧に仮設トイレだけでなく、下部構造物、雨水貯留タンクの項目を加え、補助対象とするべきと考えますが、伺います。

答弁6

防災資器材購入補助金についての御質問でございますが、

自主防災組織防災資器材購入補助金については、自主防災組織の育成と、防災体制の充実を図るため、その活動を行う上で必要な資器材の購入について補助を行うものでございます。

雨水貯留タンクについては、多くの方が使用するトイレ用等の水を貯えることができる資器材でございますので、補助の対象である「水タンク」と同様の意義があることから、補助の対象になるものと考えておりますが、下部構造物とその工事費用については、この対象外となっております。引き続き、自主防災組織からの防災資器材についての御要望や御相談を伺ってまいります。

要望

ぜひ、柔軟、丁寧な対応を宜しくお願いいたします。今回は能登の被災者の声から学び、避難所開設、災害ケースマネジメント、マンホールトイレについて取り上げました。こういった様々な取組みが、先の議会で私達が取り上げたスフィア基準の実現に繋がっていくと考えます。引き続き「自助を支える公助」の取組みの推進を要望させて頂き、質問を終わります。


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