日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2023年9月27日

決算審査特別委員会⑤ 学校の感染対策としての老朽化が進む全熱交換機の確実な維持管理と空気清浄機導入を(教育委員会予算より)

※正式な議事録ではありません。

13款8項2目義務教育施設事業費について伺います。

設問1

夏休みが明け市立学校ではインフルエンザと新型コロナウイルスの同時感染が拡大し、各校で学級閉鎖が相次いでいます。中には新型コロナの感染者が20名を超えている学校もあります。本市は学校での感染対策について

「各教室の全熱交換機等の換気設備や二酸化炭素濃度測定器の活用、気候や児童生徒の活動状況等に応じた窓開けやサーキュレーターの併用など、適切な換気を実践していくことにより、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に取り組む」

と答弁されています。二酸化炭素濃度測定器は夏季休業までで全教室配備が終わり、全熱交換機については、義務教育施設整備費で行われているとのことですが、昨年度その維持管理について、メンテナンス内容、及び決算額について伺います。

答弁1

全熱交換器についての御質問でございますが、全熱交換器の維持管理につきましては、空調設備全般を対象とした点検・保守業務の中で実施しておりまして、平成21年度にPFI手法で一斉導入した機器と、直接工事等で導入した機器を分けて業務委託しております。

PFI手法で導入した機器につきましては、年2回の運転状況や送風機の確認を行う機能点検及びフィルターの確認・清掃を行う状態点検を実施しており、委託業務全体の令和4年度の支出済額は7,128万円となっております。

直接工事等で導入した機器につきましては、年1回のフィルター等の清掃及び目視や異常音の有無などの点検を実施しておりまして、委託業務全体の令和4年度支出済額は、 2,73 1万9,039円となっております。

設問2

PFI手法で2009年度に導入したモノは年2回、それ以外の直接工事で導入したモノは年1回の点検、空調設備全般を対象とした点検でトータル9800万円余を費やして全熱交換機のメンテナンスを行っているとのことですが、昨年度、事業者から使用不可といった点検結果の報告は何件あったのか伺います。

また保護者からは「そもそも使っていない」現場への周知不足や「使用したところ故障していた」という声もお聞きしています。実際に今年度に入って、全熱交換機の修理申請は何校から届いているのか併せて伺います。

答弁2

全熱交換器ついての御質問でございますが、

昨年度の点検におきまして、 PFI手法で導入した機器につきましては、異音や水漏れの指摘が96件あり、業務委託の中で全て対応済みとなっており、直接工事等で導入した機器につきましては、異音やフィルター不足等が52件で、共に使用不可との報告はございませんでした。

また、今年度に入りまして、全熱交換器の修理に関する申請書が提出されたのは、 5校でございます。

設問3

点検で使用不可はないということですけでも、いざ使用しようと作動音が大きすぎて使えないという実態もお聞きしていますし、今年度申請があった5校のうち3校が昨年対応済みとされるPFI手法でメンテナンスした学校となると、やはり最も懸念されるのは老朽化です。事前に市立学校の全熱交換機の設置状況を確認させていただきましたが、全熱交換機設置校162校のうち、2010年度以前に設置された学校数は132校。全体の82%となります。

日本冷凍空調工業会様のホームページによると、

定期的な保守・点検のおすすめ|全熱交換器|関連製品|一般社団法人 日本冷凍空調工業会 (jraia.or.jp)

全熱交換機の電装部品等の構成部品は概ね13年で交換時期となっており、約8割の学校の全熱交換機は今年で、その交換時期を迎える設置から13年以上経過することになります。経年劣化が進んでいる全熱交換機はどのように維持管理、更新していくのか伺います。

答弁3

全熱交換器についての御質問でございますが、

普通教室や特別教室などの既存の空調設備が更新等の時期を迎えていることから、全熱交換器を含め、主にPFI事業による一斉更新等に向けて準備を進めているところであり、令和7年度から10年度までに、段階的に実施していく予定でございます。

PFI事業の対象外の学校につきましては、設置時期等を踏まえ、適切な時期に、順次、設計工事により更新等を行う予定でございます。

また、更新等を行うまでの間の維持管理につきましては、引き続き、点検・保守を実施するとともに、必要な修繕を行ってまいります。

設問4

今年で8割の全熱交換器が構成部品の交換時期、いわゆる寿命を迎えるのに、2年後の令和7年度から4年間かけて段階的に更新を行っていくということになります。その期間、最長5年、いつ故障しても不思議ではない全熱交換機を使用し続けることになるわけです。必要な修繕を行っていくという答弁がありましたので、学校側から申請があった場合の速やかな修繕対応、それを裏付ける予算措置、及び使用されていない状況もお聞きしていますので、学校現場への繰り返しの活用の周知、併せて要望させていただきます。

一方で、8校の市立小中学校で全熱交換器が設置されていません。インフルエンザ、新型コロナが同時流行するという今まで経験したことのない状況は今後も続くことが考えられるなかで、最短でも2年間全熱交換機さえ設置されない状況を考慮すれば、やはり感染対策としてすぐに設置できるものとして考えられるのは、以前から要望している空気清浄機です。空気清浄機については、なかなか前向きな答弁がありませんが、空気清浄機を率先して教室に導入している台東区にお聞きしたところ、9月20日時点でインフルエンザでの学級閉鎖はあるものの、新型コロナによる学級閉鎖は1校もないとのことです。子ども達の感染対策として空気清浄機を導入している他都市の取り組みの調査を行うべきではないでしょうか伺います。

答弁4

空気清浄機等についての御質問でございますが、

現時点では、空気清浄機の導入状況等の調査を行う予定はございませんが、教室の換気につきましては、窓開け又は換気設備による空気の入れ替えや、二酸化炭素濃度測定器、全熱交換器及びサーキュレーターの利用等による教室環境の維持等を適切に行っているところでございます。

設問5

文科省が行なった「公立学校における換気対策設備の設置状況に係わるアンケート」によると、HEPAフィルター付き空気清浄機が1台以上導入されている学校の割合は昨年9月の調査で36.8%、今年1月の調査では43.8%と設置が広がっています。5月に文科省から発出されている「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」

衛生管理マニュアル (mext.go.jp)

にも十分な換気が確保できない場合には、サーキュレーターやHEPAフィルタ付き空気清浄機の導入が推奨されているわけですから、まずは全熱交換機が設置されていない教室について、空気清浄機の配備も検討するべきと考えます。見解を伺います。

答弁5

空気清浄機の導入についての御質問でございますが、

全熱交換器が設置されていない教室においても、換気につきましては、窓開けや換気扇の利用等による空気の入れ替えを基本としながら、二酸化炭素濃度測定器の活用やサーキュレーターの利用等により、適切な教室環境の維持に努めてまいります。

要望

 本当に空気清浄機については頑なだなと思いますね。実際に各学校の限られたギリギリの予算内で、空気清浄機購入の問い合わせが教育委員会に届いているとお聞きしています。特に現在でも全熱交換器が設置されていない通級指導教室や特別支援学級、発熱した児童生徒が来る保健室等、様々な子ども達が集う場所に、学校側から感染対策、換気対策として、少なくとも空気清浄機設置の選択肢を残すべきだと思います。

 新型コロナが5類になろうとも感染力が弱くなることはありません。代表質問でも取り上げましたが、コロナ後遺症で苦しんでいる子どもたちの報告も相次いでいます。マスク着用は個人の判断とされる中で、流行期でないときは安心してマスクを外せる、子ども達を守る教育現場の環境整備に引き続き取り組んでいただくことを要望して次の質問に移ります。


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