日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ • 子育て
2023年9月24日

決算審査特別委員会③ 民間保育園の保育士へ確実な処遇改善を

※正式な議事録ではありません。

4款2項2目の保育事業費のうち、民間保育所運営費について伺います。

設問1

民間保育所運営費で実施されている保育士の処遇改善について、一つずつ伺っていきたいと思うのですが、まず処遇改善等加算Ⅰについて、その制度内容、及び対象者を伺います。

答弁1

民間保育所運営費についての御質問でございますが、処遇改善等加算Ⅰは、職員の平均経験年数の上昇に応じた昇給に要する費用や職員の賃金の改善等に要する費用を確保することにより、賃金体系の改善を通じて長く働くことのできる職場環境を構築し、質の高い保育の安定的な供給に資するため、設けられたものでございまして、対象は施設に勤務する全職員でございます。

設問2

次に川崎市処遇改善Ⅱについて、どのような制度で対象者をどう規定しているのか伺います。

答弁2

民間保育所運営費についての御質問でございますが、市処遇改善等加算Ⅱは、職員の技能・経験の向上に応じた追加的な賃金の改善を目的とする国の処遇改善等加算Ⅱを補完する加算でございまして、経験年数が3年目以上の職員が多くいる施設において、国の処遇改善等加算Ⅱの加算額だけでは十分に賃金改善を行えず、不足額の発生する施設が対象となるものでございます。配分の対象者は、園長を除く職員のうち、加算当年度の4月1日時点で在籍し、 1日6時間以上かつ月20日以上勤務し、経験年数が3年目以上の職員としているところでございます。

設問3

Ⅰ、Ⅱともに言われている経験年数について一度保育士をやめた場合、影響はあるのでしょうか伺います。

答弁3

民間保育所運営費についての御質問でございますが、

処遇改善等加算における経験年数については、子ども・子育て支援法に定める教育・保育施設、地域型保育事業、学校教育法に定める学校等の国通知に掲げられている・施設における勤続年数を通算することとなっております。

設問4

通算ということですので、一度保育士を辞められても影響はないということになります。次に川崎市処遇改善Ⅲについても、その対象者要件を伺います。

答弁4

民間保育所運営費についての御質問でございますが、

市処遇改善等加算Ⅲは、国において保育士等の収入の3%程度、月額9千円を引き上げる処遇改善を実施したことに伴い、本市におきましては、これに加え、市独自に市加配保育士や調理員、一時保育事業に係る配置職員まで対象を拡大して、加算を行うものでございます。

設問5

 国と市の制度により全ての保育士が対象になると理解いたしました。実際にご相談があった実例を紹介します。昨年4月に株式会社運営の市内認可保育所でパートとして勤務することが決まった経験年数9年の元保育士の方は、担任がいないということで、担任の打診を受け、パート勤務で担任として月曜から金曜、9時から17時までフルタイムで働きはじめました。しかし正規ではないという理由から、一切の手当てが付かず、パート勤務なので今後も時給は上がる見込みはないと言われたとのことです。この方は、国、及び市の処遇改善Ⅰ、Ⅱ、Ⅲどれにも該当しないのでしょうか伺います。

答弁5

民間保育所運営費についての御質問でございますが、

処遇改善等加算Ⅰ及びⅢにつきましては、その加算額を適切に職員の賃金改善に充てることとなっているため、事業者の給与規程や雇用契約に基づき適切に配分される必要がございます。また、処遇改善等加算Ⅱについては、国又は市の算定対象となる要件を満たしている職員に対し、配分上限額の範囲内で配分可能となっているところでございます。なお支給にあたりましては、その具体的な内容を周知することとされているところでございます。

設問6

個別案件ということで明確な答弁は避けられましたが、経験年数9年、パートであってもフルタイム勤務であればⅠからⅢの処遇改善全ての要件を満たしていると思われるのに一切の手当が支給されない。「給与規定に基づき」と答弁にありましたが、例えば監査の中で、社内給与規定に「パート従業員は一切の手当ては加算しない」といった規約があった場合、指導を行うことはできないのでしょうか。なんらかの対策を講じることはできないのか伺います。

答弁6

監査についての御質問でございますが、

御指摘のような社内給与規定であっても、従事者に適切に説明がなされているのであれば、直ちに指導すべき不適切なものとはいえないものと考えております。

なお、処遇改善等加算に関する確認指導につきましては、施設所管課に提出されている賃金改善実績報告書が適正であるかを重点的に検証するため、対象施設を任意に抽出し、施設を運営する法人に給与規程や賃金台帳等の提出を求め、委託している監査法人が専門的見地から精査し、疑義等があった場合については、法人に対して監査担当から説明を求めており、必要に応じて指導等を行っているところでございます。

要望

例え同一労働同一賃金から大きく逸脱していたとしても、それを穴埋めする処遇改善制度を一切活用しない社内規定が不適切ではないということです。なんのための処遇改善なのでしょうか。

ご相談があった方は、1年間担任勤め、事業者側と再度交渉しましたが時給アップも処遇改善もしないと、新しい人を雇うので大丈夫と告げられ、退職されました。事業者の都合で担任を任され、有資格者であるのに一切の手当てなく、働かせるだけ働かせて嫌ならやめて下さい。という話は余りにも理不尽です。相談者の方は事業者との話し合いを通じて「行政も現場も保育士が足りないと言う割には保育士を大切にはしてくれない」と痛感されたとのことです。これでは保育士不足に拍車がかかるのも当然です。

事前の調査では、処遇改善に充てられる民間保育所運営費の不用額は約14億円とのことで予算も十分あったわけです。また答弁にあった「給与規程や賃金台帳等の提出」によって対象者であるのに処遇改善が行われていない実態もわかるということですから、そういった職員がいる場合に事業者に対する聞き取りや、処遇改善制度の利用促進等、使い捨てのような保育士の働かせ方の歯止め策をぜひとも検討していただくよう強く要望して次の質問を終わります。


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