一般質問③PTAについて
※正式な議事録ではありません。
PTAについて教育次長へ伺います。
設問1
PTAの活動は、通学時の子どもの見守りや、こども110番等の地域と連携しての取組、学校と連携しての運動会等の学校行事のサポート、親子工作教室、お祭り等のPTA独自イベント、広報紙の作成、様々なボランティア活動への参加やSDGsを取り入れた取組など、それぞれのPTAが特色を出し、その活動は多岐に渡っています。
一方で、総務省の「労働力調査」によりますと、この40年間で共働き世代の割合は1980年の約600万世帯から2020年約1200万世帯と2倍に増加しました。
こういった社会情勢の変化から、家にいる専業主婦の方がPTA活動を頑張るのが当たり前。という従来のPTAのあり方は限界を迎え、各PTA、組織のあり方について再構築に取組んでいる現状があります。
まず、本市が考えるPTAの認識、位置づけについて伺います。
答弁1
PTAについての御質問でございますが、
PTAは、保護者と教職員によって構成されている任意に設立された社会教育関係団体として位置づけられており、児童・生徒の健全な成長を図ることを目的としております。
そのため、保護者と教職員が協力して、学校及び家庭における教育に関し、理解を深め、その教育の振興に努め、さらに、児童・生徒の校外における生活の指導、地域における教育環境の改善、充実を図るための会員相互の学習、その他、必要な活動を行っているところでございます。
設問2
ありがとうございます。あくまでも任意に設立された社会教育関係団体であるとのことですが、3月に本市教育委員会から「PTA会費のうち「学校運営や教育環境向上に資する経費」に関する調査結果」及び「公費・私費の負担区分」が各学校長宛に発出されました。その調査結果には学校が主体となって行う教育活動や学校環境の向上に要する経費、例えば校舎内の補修材料、カーテンクリーニング、樹木剪定等、本来公費で負担されるべき経費がPTA費から支出されていた実態が記載され、本市教育委員会の対応として「本来、児童生徒個人に還元されない物品や、学校の施設設備の補修及び整備に関する経費は公費負担とすべき」という見解が示されています。
それに伴い公費、私費が明確に区分され
保護者負担の透明性の確保、及び適切な学校運営を図っていただくよう要請が出されているわけですが、この資料について現在、各区のPTA協議会へ説明を行っているとお聞きしました。その説明会ではどんな声、要望が出されているのでしょうか?伺います。
答弁2
PTA会費についての御質問でございますが、
学校における「公費・私費の負担区分」等につきましては、本年3月に各学校へ周知するとともに、現在、各区のPTA協議会に対し、順次、説明に伺っているところでございます。
説明に伺った3区の役員の方からは、「今回改めて公費・私費の負担区分の考え方や例示が示されたことで、以前より分かのやすくなった」、「PTAの立場としては、子どもたちのために何かできることはないかと考えている」、「学校で必要な予算は、教育委員会でしっかりと予算措置を行って欲しい」などの意見がございました。
今後、残りの4区のPTA協議会へも順次説明し、御意見を伺ってまいります。
設問3
ありがとうございます。公費・私費区分については、2009年から12年ぶりの改定となり、新たにカーテンクリーニング、砂場整備費など13項目が公費の項目に追加、明確化されたとのことですので、残り4区のPTA協議会の皆様へもぜひ丁寧な説明をお願いいたします。その中で「学校で必要な予算は、教育委員会でしっかりと予算措置を行って欲しい」というご意見もあったとのことです。
実際に聞こえてくる声として、教室のテレビが壊れてしまい、購入を学校側が教育委員会に要望したものの、来年度まで待ってくれと言われ、その購入費をPTAにお願いするケースや、10万円以下のいわゆる微破損に該当する補修についてPTAへ経費負担を依頼したケースも伺っています。PTAは学校の下請けではありませんし、市の方針からも逸脱していると思います。今後は、教育委員会が学校側からの要望にしっかり対応していき、PTAにシワ寄せがいかないようにするという認識でよいのか?伺います。
答弁3
学校予算についての御質問でございますが、
備品購入や微破損に要する経費等、学校運営に関する予算につきましては、年度当初に各学校へ配当し、各学校では年間計画を立てて予算の執行をしているところでございます。また、不測の事態等により、配当した予算の不足が見込まれる場合には、必要に応じて、別途予算を手当するなど柔軟に対応しているところでございます。
今後は、公費・私費の区分について、学校に対し様々な機会をとらえて周知を図るとともに、学校からの予算に係る相談・要望については、丁寧に状況を確認の上、適切に対応してまいりたいと考えております。
設問4
わかりました。各PTA現場で、あり方についての再構築が行われているなか、学校側へはPTAの負担に適さない項目が改めて明確化されたことで、今後、この公費、私費の負担問題は噴出してくると思います。しかし社会情勢の変化を背景に、独立した任意団体であるPTAの再構築の為にはこの問題は避けて通れない喫緊の重要課題だと思います。さきほどご紹介がありました、説明会のご意見の中で、「PTAの立場としては、子どもたちのために何かできることはないかと考えている」この想いはPTAを構成する学校も保護者も同じなはずですから、今後もPTAから相談があった場合の適切な対応、学校側への正確な情報の周知等、ぜひPTAの適正化、活性化に向けたご支援を宜しくお願いいたします。
最後に、我が党は再三、PTA費を就学援助項目へ加えるよう要望していますが、検討するという方針から10年が経過しました。冒頭でお聞きしたPTAについての市の認識は、「児童・生徒の健全な成長を目的とし、教育環境の改善・充実を図るために必要な活動を行う団体」という重要な位置づけでした。こういった認識があるのでしたら、就学援助にもPTA費の項目を加えるべきです。伺います。
答弁4
就学援助費についての御質問でございますが、
就学援助制度は、経済的理由により就学が困難な方が就学できるよう支援する制度でございまして、これまで様々な支給項目について、その必要性や経費、他都市の状況等の観点から検討を行っており、令和2年度には、卒業アルバム代を追加したところでございます。
新たな支給項目の追加につきましては、就学援助制度の趣旨を踏まえ、制度全体の中で、適切な援助の在り方について、引き続き検討してまいります。
要望
検討して10年。今日の答弁も「引き続き検討をしていく」でした。非常に残念な答弁であり、なぜそこまで頑なに国でさえ就学援助の対象として明確に示し、
就学援助制度について(就学援助ポータルサイト):文部科学省 (mext.go.jp)
隣の横浜市でも実施している
就学援助制度について 横浜市 (yokohama.lg.jp)
「PTA費」を本市の就学援助の項目に加えないのか、全く理解ができませんが、私たちも引き続き、強く要望をさせていただくことを申し上げまして、次の質問に移ります。