台風19号から3週間
台風19号上陸から3週間。徐々に川崎市の被害の全貌が明らかになってきています。人的被害は軽傷の方7名、お亡くなりになられた方1名(危機管理室で把握しているもの)。物的被害を受けた住家は1533件(全壊18件、半壊527件等)。
市内中小企業被害額は324件、57億2千万円と推計。
加えて公共施設、市民ミュージアムは地階にある収蔵庫全て浸水。実際に市民ミュージアムの状況を10月28日に見学させていただきましたが、最大で2mまで浸水した為、収蔵庫の中は散乱、出入り口の扉には変形があり、まだ一部の収蔵庫には手が付かない状況とのこと。収蔵庫には現代美術、考古、民俗、歴史、美術資料や写真、ビデオ、漫画、フィルム等、川崎の文化と歴史、市民の財産ともいえる貴重な文化財が収蔵されていました。動産保険から算出する被害額は42億円。
浸水原因は調査中。水は三方向から流れ込んできたとのことですが、山王町地域と違ってあまり泥が見られないことから多摩川からの逆流ではないことは推測できます。
また、改めて11月1日付で川崎市より被災者支援の代表的なものをまとめた動画「被災された皆様へ」が公開されています。ぜひご覧下さい。
さらに独自の復興支援チラシを作成し、お配りさせていただいております(企画、立案の片柳市議、ありがとうございます!)特に半壊以上の被害にあった学生に10万円が支給される支援も始まっております。ぜひご活用下さい。
そして11月3日には、山王両町会主催で上下水道局との合同防災勉強会が山王会館で行なわれ、私も参加させていただきました。本来この勉強会は台風19号上陸前から決まっていたもので、あくまでも2年前の台風による浸水被害軽減の取り組みや、自助・共助による防災の取り組みについての勉強会だったのですが、会場には入りきらない方が詰め掛け、上下水道局側からの報道発表資料「台風19号による排水樋管周辺地域における浸水被害説明資料」(前のブログに掲載)に基づいた説明が行なわれると、多くの質問が寄せられ、一部進行を変更する事態に。
「なぜ多摩川からの逆流が始まった時点で水門を閉めなかったのか」
「その水門のマニュアルはいつ頃作られたものなのか」
「水門を閉めるのに12時間もかかったとのことだが、普段から整備、訓練していたのか?」
「総合的な判断とはなにか」
「ポンプ場を守る為にこの地域は犠牲になったのか」
等々、被災された方々の切実な訴えが続きました。こういった質問に対する答弁、正式な住民説明会は11月19日、20日の日程で上丸子小学校で開催予定とのことです。確実な日程が決まり次第、お知らせいたします。
多摩川は氾濫していないのに、なぜこの地域だけこれだけの水害になったのか、検証結果は来年3月頃とのことですが行政側だけではなく、有識者などの第三者、地域の方も加えた徹底的な検証が必要ではないでしょうか。
知り合いの方では避難所の運営中に転倒し、骨折された方もいらっしゃいます。その方のケガは上記の市の発表している人的被害に含まれていません。まだまだ行政側で把握しきれていない被害は多く潜在しています。まずは被災された方々の1日でも早い復興支援。そして確実な検証に基づいた再発防止策を求めてまいります。
引き続き。