一般質問 タワーマンション出口戦略について
※正式な議事録ではありません。

タワーマンションの出口戦略について、まちづくり局長に伺います。
設問1
小杉駅周辺地区のまちづくりは2棟の高さ約177mのタワマン建設が進む日本医科大学跡地、高さ約155mのタワマンが建設予定の小杉町1丁目地区の着手に至り、更なる人口を飲み込もうとしています。幾度となく市民からはタワマン建設ストップの声が上がりましたが、止まることはありませんでした。この間、学校や保育園の不足、駅、区役所の混雑等、人口増に対してインフラが追い付いていないことを指摘してきましたが、現在建設が進む3棟のタワマンによって、どれほどの人口増が見込まれるのか、そのうち小杉駅周辺地区に設置された小杉小学校に通えない小学生はどれほどになるのか伺います。
答弁1
小杉駅北側の開発計画についての御質問でございますが、小杉町1・2丁目地区の「学校法人日本医科大学武蔵小杉キャンパス再開発計画」及び小杉駅北口地区の「小杉町1丁目計画」の環境影響評価書による計画人口の合計は7,000人とされております。また、教育委員会の推計では、両計画のマンション完成予定の令和11年度において、児童数を180人と見込んでおります。なお、当該マンションにおける通学区域の指定校は、西丸子小学校となっております。
設問2
日医大跡地のタワーマンションで暮らす子ども達は目の前の小杉小学校には通えないこことなります。
2016年から18年にかけて6回開催された小杉小学校の学区を議論する「小杉駅周辺地区新設小学校通学区域等検討会議」の議事録を拝見しました。近隣の学校長を始め、町内会、PTA会長といった地域の方達が委員として議論するなかで、日医大跡地のタワーマンションに隣接する小杉小に通えないことについて複数回、質問、意見が出ていますが、小杉小の規模、今井小の過密化等々の課題があり、周辺一帯を学区とするA~C案ではなく、南武沿線道路や府中街道を横断するいびつな形のD案が学区となりました。当時、委員として参加していた方にお話を聞きましたら「結局、急激な人口増が招いた結果。結論ありきのような議論だった」とお話されていました。
次に日影の問題についてです。タワマン林立によって、複数のタワマンが発生させる影、複合日影が小杉一丁目計画に係る条例環境影響評価書で示されています。大西学園の北側にあたる小杉2丁目街区08の複合日影は何時間となっているのか伺います。
答弁2
小杉駅北口地区の開発計画についての御質問でございますが、「小杉町一丁目計画」の環境影響評価書における複合日影の時間につきましては、合計4時間半程度でございます。
設問3
ディスプレイお願いします。

建築基準法に基づく日影規制、平均地盤4mの高さにおいて、計画地から5m~10m以内4時間未満、10m以上2時間半未満に対し複合日影は参考値としながら4時間半程度となり、建築基準法に基づく日影規制を超える状況となっています。タワーマンション林立のもとで、以前から住み続けていた住民の方達には大きな影を落としている現状です。
神戸市の久喜市長は「高層タワーマンションは数十年で廃墟化する可能性がある。目先の人口を増やすのではなく、長い目で持続可能な開発を目指す」と記者会見で発言しています。実際に神戸市では2018年から有識者会議を設置し2025年に「タワーマンションと地域社会の関わりのあり方に関する課題と対応策」の報告書を作成しました。その中で掲げられた課題について、本市の見解を伺っていきます。「マンション管理について」タワーマンションは所有者の属性が多様で、修繕積立金の引き上げ等の合意形成が困難となりうること、行政がマンションの管理状況を十分に把握できていないことを挙げ、神戸市は今年度からマンションの管理状況の届け出を義務化しました。本市でも義務化を検討すべきではないですか。伺います。
答弁3
マンションの管理適正化についての御質問でございますが、マンションの管理状況の届出につきまして、本市におきましては任意の届出制度はございますが、義務化している他都市においても未届マンションについては管理実態を把握できないといった課題があることを伺っております。本市では、全ての分譲マンションを対象とした実態調査や、築40年以上の高経年マンションを対象とした管理状況調査などにより、管理実態の把握に努めており、管理上の問題があるマンションに対しては、行政による積極的な働きかけが重要であると考えております。こうしたことから、現時点では、管理状況の届出義務化の検討の予定はございませんが、引き続き、管理実態を把握しながら適正な管理を促す取組を進めてまいります。
設問4
次に非居住対応、いわゆる空き部屋対応についてです。同報告書によると、投資目的の所有が増えることで、価格が高止まりし、居住目的で取得を希望する者が適正価格で取得できず、貴重な住宅ストックが活用されない可能性を掲げ、結果、修繕や解体の際の合意形成が困難になり、廃墟化につながる恐れがあるとまとめています。そこで神戸市はタワーマンションの住所登録がない部屋数や階層ごとの非居住の状況を調査し、対策を検討しています。本市もまずは実態把握として非居住、空き部屋の実態を調査するべきではないでしょうか伺います。
答弁4
マンションにおける居住実態についての御質問でございますが、
居住実態のない空き室問題につきましては、本市においては、現時点で必ずしも顕在化している状況にはないものと認識しておりますことから、現段階におきましては、調査を行う予定はございませんが、今後の動向について注視してまいります。
設問5
次に終末期の対応についてです。タワーマンションが廃墟化すれば、まちに与える影響は極めて大きいことが予想される一方で、莫大な費用が見込まれる解体費への積立は行われていません。所有者責任が原則ですが、廃墟化した際、行政が代執行手続きにより解体したとしてもその費用を改修することは不可能に近い状況が考えられます。そうした場合においての解体のコスト負担について議論を始めておく必要があるのではなでしょうか。本市の検討状況を伺います。
答弁5
マンションにおける将来を見据えた対応についての御質問でございますが、分譲マンションにおいては、長期的視点に立った維持・再生の検討が重要であると認識しているところでございまして、管理組合等に対し、適切な維持管理の実施とあわせ、将来の解体や建て替え等のマンション再生に向けて計画的に検討することの重要性について、引き続き周知・啓発を図ってまいります。
設問6
取り上げた項目はあくまでも神戸市の実態に即した課題です。小杉駅周辺のまちづくりで地区計画を変更しタワーマンションを誘導した本市には50年、100年後も小杉を住み続けられる町として維持していく責任が伴います。小杉を廃墟化させてはなりません。今からでも神戸市のような有識者会議を設置し、タワーマンションの出口戦略を構築していくべきです。伺います。
答弁6
小杉駅周辺地区のまちづくりについての御質問でございますが、当地区につきましては、駅周辺における基盤が未整備の低未利用地や大規模工場跡地等に対し、地区計画等の都市計画手法を用いて、無秩序な開発を抑制するとともに、計画的に駅前広場、道路、公園などの都市基盤整備等を誘導し駅を中心に歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりを進めてきたところでございます。
将来のエリア価値向上に向けましては、必要な都市基盤整備や都市機能の誘導、都市型住宅等のバランスが重要だと考えておりますので、「川崎市都市計画マスタープラン小杉駅周辺まちづくり推進地塒篝想」等を踏まえ、適切な士地利用を誘導するとともに、にぎわい創出や回遊性向上等に向け、地域と連携しながら、引き続き、魅力ある広域拠点の形成を進めてまいります。
要望
本市はこれまで、タワーマンションの建設を誘導する都市計画を進めてきました。その結果、にぎわい創出という華やかな側面の一方で、インフラ不足よる学区のゆがみや日影被害といった問題が現実に生じています。ただ残念ながら、今の状況で学区の見直しは容易ではなく、今の街並みでは小杉2丁目街区08に日影規制以下の陽が射し込むことはありません。抜本的な解決策は見いだせないわけです。しかし、将来のリスクは別です。管理、非居住対応や終末期の対応等、今日の質疑で示したリスクは、顕在化していない今だからこそ取り組むべきです。小杉を50年後、100年後も住み続けられるまちとして維持するためには、今こそ長期的視点に立った出口戦略が必要です。神戸市のように有識者会議を設置し、包括的な検討を早急に始めるべきです。 小杉を廃墟化させないために、未来への責任を果たすまちづくりへの転換を強く求め質問を終わります。



