夏休みの自由研究でも
あれはまだ私が候補者だった頃、
「上平間配水所の地下にマイクロ水力発電所があるの知ってますか?」
ある方からそんな話をされ、平間に?地下に?発電所?全く寝耳に水、勉強不足を痛感いたしておりました。
初めての本会議、参議院選挙も終わり、すぐさま水道局に問い合わせ、7月の最終日、現地を視察させていただくことに。
そもそもマイクロ水力発電とは?
定義は様々なようですが、
- 小水力発電⇒最大出力1000kW以下
からさらに分類され…
- マイクロ水力発電⇒最大出力100kW以下
- ミニ水力発電⇒最大出力100kW~1000kW
日本の現行制度上、最大出力が200kW未満までの発電設備は申請手続が簡素化されていることから最大出力200kW未満のモノを総省してマイクロ水力発電と呼ぶこともある。
※平間発電所の最大出力121kWですが、名称は「マイクロ水力発電」。
水力発電と聞くとダムのようなものを想像しますが、マイクロ水力発電を含む小水力発電は、調整池程度にとどめる「調整池式」、河川等の流れる水を貯めることなくそのまま発電に使用する「流れ込み式」、川の上流に低い堰を設けて水を取り入れ、水路により落差が得られる地点まで導水し発電する「水路式」などの方式で、用水路などにも設置できる、持続可能な循環型の電源として導入が広がっています。つまるところ大規模なダムを伴わない小規模な水力発電です。
前置きが長くなりました。
というわけで現地でございます。
再生可能エネルギーに興味をお持ちの方、促進に向けた活動を続けている方、平間に発電所?と興味深々でご参加された方、猛暑の中お集まりいただき、説明してくださる方も水道局、事業を担当する東京発電様もお越しいただき、いざ発電所内部へ。
平間発電所
- 水車方式 フランシス水車
- 方式 流れ込み式
- 最大落差 31.3m(水源となる長沢浄水場との標高差)
- 使用水量 0.185~0.509㎥/s
- 年間発電量 860000kWh
解説
◎フランシス水車(田中水力株式会社HPより)
管路を流れてきた水は渦巻き状のケーシングからランナ(羽根車)に全周方向から主軸に向かって直角に流入します。この時水は、圧力と速度エネルギーを持っていてささえ羽根から狭い案内羽根を通過しランナに入り回転運動に変換されます。
- 世界で最も使用されている水車。(70-80%)
- 落差と流量の適用範囲が広い。
- 反動水車の一種として、吸出管によって全水頭が利用できる。
- 最高効率が高い。
◎流れ込み式
長沢浄水場との最大落差31.3mから生じる自然な水の流れを利用して水車を回転、その回転力を発電機に伝達させることにより発電。
◎使用水量
平均約0.463㎥/s⇒1日4万t
◎年間発電量
860000kWh⇒289世帯分の年間消費電力
※世帯あたりの月平均電力消費量247.8kWh(電気事業連合会調べ)×12(ヶ月)で計算
◎売電
FIT制度契約時 1kWh34円で東京電力へ売電、年間売電額2924万円
※FIT制度とは…太陽光発電など自家発電の電力を固定価格で買い取る制度
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/
川崎市内には平間の他にも、江ヶ崎、鷺沼に同様のマイクロ水力発電所があり、年間約970tのCO2削減に貢献。
http://www.city.kawasaki.jp/800/category/227-1-9-1-0-0-0-0-0-0.html
今までただ水が流れていた所に水車を設置、その水流(エネルギー)を利用して発電。石油や石炭、天然ガスなどに頼らず発電できる再生可能エネルギーはエネルギー自給率、安定供給の観点から非常に重要な取組です。水道局、東京発電様の説明では、今のところ、これ以上市内でのマイクロ水力発電設置は難しいとのことでしたが、風車と発電機の性能が上がり、エネルギーロスが削減していけば、今後も更なる展開が望めるかも…ちなみに、アマゾンでは個人用のマイクロ水力発電機も販売しています(水流で携帯電話充電とか)。ご興味ある方はぜひ。
ご参加いただいた方、お忙しいのに対応してくださった水道局、東京発電の皆様、酷暑の中、本当にありがとうございました。
まだまだ可能性が広がる再生可能エネルギー。参加者の中からは
「次は多摩川に設置だな」
という声も…
夢は広がります。