代表質問抜粋(教育関連)
※正式な議事録ではありません。
教育をめぐる環境整備についてです。
教員の未充足及び担任の兼務についてです。
教員の未充足により教務主任や支援教育コーディネーターの先生が担任を兼務する事態が発生していますがその業務負担は計り知れません。担任も教務主任の業務も大変な重責のため一人で2人分の業務量をこなすことになるためです。実際に兼務している先生からは「このままでは体がもたない」と切実な声が寄せられています。現在の教員の未充足はどのような状況なのか伺います。また教務主任、支援教育コーディネーターが担任を兼務している実態を市教委は正確に把握しているのか伺います。
一刻も早く兼務を解消すべきと考えますが対応を伺います。
答弁(教育次長)
教員の未充足等についての御質問でございますが、
11月1日時点の未充足数につきましては、全校種で169.5人でございます。また、教務主任や支援教育コーディネーターの学級担任への兼務状況につきましては、教職員の年度途中の退職や産育休等により、日々、変化するため年度途中の統計は取っておりませんが、適宜、ヒアリング等により、把握しているところでございます。
その上で、担任不足が生じている小学校や教科担当教諭の確保に課題が生じている中学校におきましては、非常勤講師等の配置や、既に配置している非常勤講師の週勤務時間数の拡充など、マンパワ一補填の取組を優先して進めているところでございます。
教職員の働き方についてです。
来年度から2029年度までの方針となる第3次教職員の働き方、仕事の進め方改革の方針素案が文教委員会で示されました。これは改正給特法で改正された文科省の指針に基づき策定されたとのことです。指針の留意事項において、業務の持ち帰りは行わないことが原則とした上で、仮に持ち帰りの実態がある場合、その実態把握とともに縮減に向けた取組を進めると明記されています。本市は実態把握をどのように進めるのか伺います。
改正給特法の付則3条には、2029年度までに1カ月時間外在校等時間を平均30時間程度に削減することを目標とし、削減するために講ずる措置として「教職員1人あたりの担当する授業時数を削減すること」が明記されていますが、市の方針にはその明記がありません。具体的に目標を示し、担当する授業時数の削減に取り組むべきではないでしょうか。伺います。
答弁(教育次長)
教職員の働き方・仕事の進め方改革についての御質問でございますが、
はじめに、業務の持ち帰りにつきましては、とれまでも勤務実態調査において実態を把握してまいりました。今後も、定期的に調査を実施してまいりたいと考えております。
次に、授業時数につきましては、各教科等の年間標準時数を確保することを前提とし、過度な余剰時数を加えないことを確実に周知するとともに、専科指導教員の活用など、今後も、教員一人当たりの授業時数の縮減に取り組んでまいります。
再質問
実態把握をどのように進めるのか質したところ「勤務実態調査において実態を把握している」との答弁でした。調査結果によると1日平均の持ち帰り時間が「ない」と答えたのは小学校29.5%、中学校38.2%となっており、全体の6~7割は持ち帰り業務を行っているのが実態です。文科省の指針には「業務の持ち帰りは行わないことが原則」とした上で「実態と共に縮減に向けた取組を進める」とあります。実態を把握しているのであれば、縮減に向けた取組策を具体的に伺います。
答弁(教育次長)
持ち帰り業務につきましては、業務改善の取組として、通知表の前期所見欄の見直しや、学校と保護者間の手続きのオンライン化など、教員の負担軽減を図り、縮減に取り組んできたところでございます。
令和5年度の勤務実態調査で把握した持ち帰り業務の内容といたしましては、「授業準備」が8割を超えていることから、業務改善や授業改善を進める中で、勤務時間内で授業準備に取り組むととができる時間を創出し、持ち帰り業務の縮減に取り組んでまいりたいと考えております。
人事委員会の勧告及び報告についてです。
10月6日付の報告の中の「初任給制度」の課題として「入庁までの経歴をより適切に初任給に反映できるよう、国や他都市の状況を踏まえ、初任給制度の見直しを行う必要がある」と記載があります。これは雇用期間が1年未満のため給与が常に初任給扱いとなる学校事務職員等の臨時的任用職員において、10年を超えると初任給決定に経験年数の適用を受けることができない、いわゆる「初任給加算の10年の壁」も課題として含まれているのか伺います。なぜ今回の勧告に具体的に見直しが反映されなかったのか併せて伺います。
答弁(人事委員会委員長)
職員の給与に関する報告及て報告についての御質問でございますが、
初任給制度につきましては、本年の職員の給与に関する報告及び勧告の中で、「人材獲得競争が激しさを増し、人材の流動化が進む中、入庁までの経歴をより適切に初任給に反映できるよう、国や他都市の状況を踏まえ、初任給制度の見直しを行う必要がある」と言及したところであり、臨時的任用職員を含む一般職職員の初任給決定における課題について認識を示したものでございます。
初任給制度の見直しにつきましては、市の人事制度に少なからず影響を与えるものと考えられますので、関係局と協議しながら、検討を進めているところでございます。
全国学力・学習状況調査についてです。
川崎市政だよりの8月号で、本市の調査の結果が20政令市中、国語で3位、算数・数学で2位、英語で1位になったとアピールされていました。
このように順位にこだわることは、非常に危険です。全国調査で1位が続いた福井県では、2017年に教員からの過度な叱責が原因で中学2年生の生徒が自死する事件が起きました。その後県議会では、「学力日本一を維持することが教育現場に無言のプレッシャーを与え、教員、生徒双方のストレスの要因となったと考えられる」とし、県の教育行政の根本的見直しを求める意見書を全会一致で採択しています。
全国学力・学習状況調査で順位や結果にこだわることは、教育現場にどのような悪影響をもたらすのか、教育長の見解を伺います。またそのような目標を掲げることは不適切であり、あってはいけないことだと思いますが、併せて教育長に伺います。
答弁(教育長)
全国学力すが、
本市の全国学力・学習状況調査の順位や結果につきましては、各教科等の目標を実現し、確実に資質・能力を身に付けることを通して「わかる」を実感できる授業に取り組んできた成果であると捉えております。
今後も、子どもたちが自ら学び、「わかる」を実感できる授業づくりを行うために、引き続き調査分析を行うとともに、一人ひとりの学びに応じた、きめ細かな指導の充実を図ってまいります。
いじめ重大事態調査についてです。
2024年度のいじめ認知件数が10月に公表されましたが前年度比1184件増の6656件と過去最高を更新しています。一方でいじめ重大事態に係る事実関係を調査審議する「いじめ問題専門・調査委員会」の委員は現在4名。条例では5名以下となっていますが、横浜市は条例で15名以内としています。いじめが増加傾向であるのに対し、本市の体制では不十分です。条例改正を行い、専門調査委員会の人員を増やすべきです。伺います。
答弁(教育次長)
川崎市いじめ問題専門・調査委員会にっいての御質問でございますが、
同委員会につきましては、条例に基づき、委員は5人以内とし、必要に応じて部会の設置や、臨E寺委員の委嘱が可能となっており、複数のいじめ重大事態が発生した場合等にも調査審議を行うことができる体制としてぃるところでございますが、委員の定数等につきましては、今後必要に応じて検討してまいります。
給食室の空調設備についてです。
昨年、室温が50度を超えた富士見台小学校の給食室へ「短い工期で設置できる空調設備」が試験的に設置されたのを受け、現地視察を行いました。

調理中の窯付近は高温になるものの「休憩室を出た際の調理室全体のひんやりとした感じは全然違う」等、環境が改善された声がある一方で、設置前の夏場の給食調理は「命がけだった」という切実な声も寄せられています。給食室への空調設置は命に関わる問題です。まずは暫定処置として、早急に未設置の給食室へ「短い工期で設置できる空調設備」を設置するべきです。伺います。
答弁(教育次長)
ホ合食室の空調整備についての御質問でございますが、給食室における熱中症剣策は喫緊の課題であるととから、この夏に、空調未設置校のうち小,交2校において、短い工期で設置できるタイプの空調設備を試験的に設置いたしました。
設置後の9月からの給食調理において、一定の効果が確認できたところでございますので、引き続き、今後の対
応に向けて調整を進めてまいります。
議案第220号令和7年度川崎市一般会計補正予算のうち、学校給食物資購入費についてです。
この予算は食材料費の高騰に対応し、学校給食の質を維持するために市費を活用し給食物資購入費を増額するとのことです。昨年度は物価高騰の影響で献立からデザートが消える等、子ども達の給食に直接影響が及びました。今年度は影響が一切発生していないのか伺います。
給食の無償化と質についてです。
来年度から国による小学校給食無償化の方針が示されていますが「無償化となると給食の質が下がる」との声が保護者、一部首長からも聞かれます。まず本市にとって給食の質とは何なのか伺います。無償化によって給食の質が下がるなどあってはならないと思いますが、そのようなリスクが本市でもおこりうるのか見解を伺います。
答弁(教育次長)
学校給食費等についての御質問でございますが、
本年4月の学校給食費の改定後、物価高騰により近年捌共が難しくなっていた食材などを、今年度は提供してきたところでございますが、物価上昇が続く中で、徐々に献立の工夫が必要となっている状況や、秋以降の米の価格上昇を踏まえ、当初予算だけでは食材料費が不足する見込みとなったことから、この度、一般財源による増額補正で対応するものでございます。
本市として維持したい給食の質につきましては、文部科学省が定める「学校給食摂取基準」を踏まえて、本市の学校給食のコンセプトである「健康給食」に基づき、栄養バランスのとれた、安全で美味しく、魅力ある学校給食を提供していくことで実現するものと考えております。
今後も、本市の学校給食の質を維持していくととが必要であると考えておりますので、国による無償化が、その制度内容や補償される財源において十分なものとなるよう、引き続き国に対して働きかけてまいります。



