決算審査⑤ 13款2項1目 給食のアレルギー対応及び夏休み明けの給食提供について
13款2項1目学校給食費のうち、アレルギー対応、及び夏休み開けの給食提供について伺います。
※正式な議事録ではありません
設問1
まずアレルギー対応についてです。本市では食物アレルギー疾患を有する児童生徒に対し卵、乳、小麦等の除去食対応を行なっていますが、令和5年度及び今年度の除去食提供状況の推移を伺います。また中原区内の実施状況も併せて伺います。
答弁1
学校給食における食物アレルギー対応についての御質問でございますが、
除去食提供対象の児童が在籍している小学校は、令和5年度及び今年度いずれも114校中111校で、うち除去食を提供している学校は、令和5年度87校、今年度88校となっております。また、中原区内では、小学校19校のうち除去食を提供している学校は、令和5年度15校、今年度は平間小学校において除去食提供が可能となったため、16校となっております。
設問2
昨年6月の定例会で質問した当時未実施だった平間小、玉川小は「施設の狭隘や設備配置の点から」実施ができていないという答弁でした。この間、改修、増築等は行なわれておりませんが、なぜ除去食提供が可能となったのか伺います。
答弁2
学校給食における食物アレルギー対応についての御質問でございますが、
玉川小学校では、除去食提供のための設備配置に課題がございましたが、安全に除去食を提供するための体制を整備し、除去食専用の鍋、食器等の必要な物品を購入したことにより、令和5年度から提供を開始したところでございます。また、平間小学校では、施設の狭あいに伴う作業動線に課題がございましたが、安全に除去食を提供するための動線を確保し、体制を整備したことにより、今年度から提供を開始したところでございます。
設問3
除去食の提供に必要な調理器具を購入したことも提供開始の要因になったとのことですが、過去の質疑では購入支援も行っているとの答弁がありました。令和4年第2回川崎市地域医療審議会保健部会では有識者から、申請待ちではなく、教育委員会がリサーチを行なって改善を進めていくべきとの指摘もあります。対応状況を伺います。
答弁3
学校給食における食物アレルギー対応についての御質問でございますが、
教育委員会事務局が毎年度実施している食物アレルギ一調査において、除去食提供をしていない理由について把握しており、除去食提供のために物品等が必要な場合には、各学校に予算配当した給食用消耗品費の中で購入することとしております。
また、配当された予算で不足する場合は、追加配当の申請ができることになっており、こうした対応については、アレルギー研修会などの機会を捉えて、周知しているところでございます。
要望
中原区で除去食対応ができる学校は19校中16校、残り3校ですがそのうちの苅宿小は希望される方がいないとのことで、実質できていないのは木月と下河原小だけとなります。
除去食対応を希望しても学校側の状況で提供できないとなれば、お弁当対応となり、希望は叶わないばかりか提供されなかった分の差額は保障されることもないわけです。木月、下河原小の除去食対応の環境整備は最優先に取り組んでいただければと思います。
併せて夏休みが明けて9月になっても35度を超える猛暑が続きました。調理員さんの職場環境は過酷な状況です。給食室へスポットクーラーの配備だけではなく、空調の整備を早急に進めることを要望しておきます。
設問4
次にアレルギー対応の他都市との差異についても伺います。本市では学校給食でのアレルギー対応を希望する保護者に対し、学校生活管理指導表の提出を求め保護者との面談を行って対応を決定しています。
※川崎市立学校におけるアレルギー疾患を有する児童生徒への対応マニュアルR503arerugi-manyuaru.pdf (city.kawasaki.jp)
他都市では医師の診断によりアレルギーが出にくい「練り物は可」と指導表に記載があれば、学校現場で協議を行い、提供を許可するケースもあるとのことです。しかし本市ではそれを認めていません。その理由を伺います。
答弁4
学校給食における食物アレルギー対応についての御質問でございますが、
アレルギー原因食物の献立提供についてでございますが、文部科学省の「学校給食における食物アレルギー対応指針」では、
学校給食における食物アレルギー対応指針 (mext.go.jp)
給食の安全性確保のため、「提供するかしないかの二者択一の給食提供」が原則的な考え方として示されております。
また、同指針では、従来の「多段階対応」と呼ばれる食物アレルギー対応における、「少量可」「加工食品可」などの様々なレベルでの対応について、「業務が複雑・煩雑となり、負担が増えるばかりか、事故の温床にもなる」として、「多段階対応はしない」と明確に示されており、本市におきましても、例えば、魚アレルギーがある場合、魚を使用した献立については、魚の練り物も含めて提供を行っていないところでございます。
設問5
安全第一なのは理解できます。原則はその通りだと思います。しかし「加工食品可」という医師の判断に考慮の余地はないのでしょうか。例えばあるお子さんは当初「さかな」のアレルギー反応が確認されました。その後、何度も病院に通い、本市の給食で提供される、しらす、マグロ、カツオ、サバ、牡蠣、アジ、タラ、タイ、メカジキと一品ずつ医師の前で切り身を食べ食物経口負荷試験を行ないクリアしてきました。この他にも本市給食で練り物で提供されているハモやサメがあります。しかしハモ、サメといった食材は切り身での入手が困難なこと、家庭で練り物を食べても問題ないこと等、医師の総合的な判断の上で「ハモやサメは練り物可」という記載に至りました。医師の総合的な判断をもとに、お子さんの医療機関の通院経過を知っている学校現場での保護者も含めた面談を行い、栄養士、養護教諭が調理室での業務が複雑・煩雑となり、負担増とならないか等を加味した上で対応を決める。「練り物は可」という記載のみで提供しないという一律な判断はせず、学校現場の判断を尊重しているという自治体もあります。
学校現場から同様の相談があった場合は、まずは状況をよく聞きとっていただき、安全かつ子どもにとって何がベストか考慮し、寄り添った現実的な対応を要望しておきます。
次に、夏休み明けの給食提供について伺います。今年も小学校での夏休み明けの給食が1週間出ないという声が届いています。また教員の方からも様々な家庭環境において夏休み期間中の子ども達の昼食について懸念する声が届いています。給食提供開始時期が9月に入ってからの対応は2学期制となり学校ごとに夏休み期間が定められる現在の状況にアンマッチしていると以前の議会でも指摘していますが、そもそも、このアンマッチについて課題認識はあるのか伺います。
答弁5
小学校給食についての御質問でございますが、夏季休業中には、給食提供期間中には実施できない施設の点検、清掃や害虫駆除、老朽化等に伴う設備、機器の更新等の環境整備等を行うとともに、夏季休業明けにも作業日数を確保する必要があることから、給食開始までに一定の日数を要しておりますが、早期の給食開始について御意見、御要望をいただいていることについては、認識しているところでございます。
設問6
ボトルネックとなっているのは全ての自校給食実施校を1事業者で廻るため、一カ月を超える作業期間を要する雑排水等の清掃作業の一括発注です。昨年の12月議会では「一般競争入札では2社の参加にとどまるなど、入札参加業者が少ないことに課題がある」と答弁がありましたが、実際に実施できる事業者はどれぐらいあり、入札上、何が課題なのか伺います。
答弁6
小学校給食についての御質問でございますが、
給食室雑排水槽等清掃及び汚泥等運搬業務につきましては、今年度、川崎市業務委託有資格業者名簿の「汚水処理施設清掃」に登録されている事業者41社に対し、実施の可否等に関するアンケート調査を実施したところ、回答のあった28社のうち、実施可能であるとした事業者は3社にとどまるなど、事業者が少ないことが課題と考えております。
要望
事業者が少ないのが課題ということなんですが、実施できるのが3者で、分割にすればそれぞれ入札できるわけですから競争性の観点からも問題ありません。
雑排水の業務仕様書を見ますと、
※令和6年度給食室雑排水槽等清掃及び汚泥等運搬業務仕様書02-R6shiyosyo.pdf (city.kawasaki.jp)
排水口、グレーチング、排水導入管、埋設管、排水ポンプ槽内等々の高圧洗浄を夏季休業等、調理を実施しない期間内に120回(校)実施となっています。現在の実施期間である7月後半から8月の土日、閉庁日を除くと作業できる日数は昨年度26日、今年度30日しかありません。
事業者からは日数が足らないという声も上がっているとのことですから、課題があるとすれば仕様書の方ではないのかと思います。繰り返しになりますが、夏休み明けの給食提供が現在の2学期制とミスマッチとなっていること、保護者、先生から毎年声が届くことを真摯に受け止めて頂いて、1週間でいいんです。子ども達の為に、たった1週間早めるだけです。できないことはないと思うんですよね。引き続きこの課題は取組んでいくことを申し上げて次の質問に移ります。