一般質問① 療育と教育の連携について
療育と教育との連携について教育次長に伺います。
※正式な議事録ではありません。
設問1
お子さんが支援級に通っている保護者の方から、療育と教育の連携を図ってほしいとの声が届いています。お話を伺ったケースでは、支援が必要な児童が複数回、他の児童に抱きつく等で転倒事故を起こしてしまい、学校側も対策に苦慮している中、その児童の特性を理解している放課後等デイサービスの先生が学校に訪問し、口頭で注意するだけではなかなかその児童には伝わらないこと等の特性や、絵カードの共有等を提案した所、学校側もすぐに絵カードを取り入れ、移動や休み時間の際は先生の目が行き届く様に配置変えを行ってくださったとのことで、保護者の方も安心されていました。もう少し早く連携が図れていれば、複数回に及ぶ転倒事故のリスクを抑えられたかもしれません。本市のノーマライゼーションプランでは、教育委員会と健康福祉局が障がいのある子どもやその保護者が地域で切れ目なく支援が受けられるよう学校と放課後等デイサービスとの相互理解の促進について検討を行い、昨年7月に改訂、学校、障がい児通所事業所へ周知を行っています。どのようなものなのか、伺います。
川崎市 : かわさきノーマライゼーションプラン (city.kawasaki.jp)
答弁1
学校への周知内容についての御質問でございますが、昨年7月に発出した「川崎市における障害児通所支援事業所と学校との連携の基本的な考え方について」では、家庭と教育と福祉の連携をより円滑に進めるため、学校と障害児通所支援事業所における適切な対応について依頼したものでございます。当該通知におきましては、連携の方向性や基本的な考え方、連携の主な内容等を示しており、各学校と各支援事業所は、通知の内容に基づき、支援の充実に向けた連携を進めているところでございます。
設問2
通知には「支援の主体である保護者の同意のもと、子どもの状況に合わせて適切に連携を進める」とあります。しかし実際にはこの取り組みをお知らせしても「知らなかった」という保護者の声や、学校側の理解が進んでいるとは言えない対応も聞こえてきます。連携を進めていく方針が周知されなければ不十分と感じますが、保護者、学校へはどのように周知を図っているのか伺います。
答弁2
通知の周知についての御質問でございますが、
各学校に通知文を発出するとともに、管理職や支援教育コーディネーターにつきましては、校長会議や研修会等において、その内容を周知しており、保護者につきましては、各学校において、児童生徒の個別の指導計画の作成や評価の際に、児童生徒が利用する放課後等デイサービスとの連携の必要陛について確認しているところでございます。今後も、より効果的な連携を進められるよう、保護者への情報提供を含め、管理職や支援教育コーディネーターへの周知に努めてまいります。
設問3
この国は申請主義と言われております。本当に支援が必要な方たちにいかに支援策を届けるかは、行政の腕の見せ所だと思いますので、ぜひ確実な周知をよろしくお願いいたします。またある児童精神科医の先生は「学校は教育のプロ、放課後デイは療育のプロなので意見がぶつかる事も多々ある。お互いの意見を尊重して良いところを取り入れるのが一番」と仰っています。支援の主体である保護者を中心に、放課後デイと学校現場の連携を着実に進めて頂ければと思います。
次に作業療法士についてです。日本作業療法士協会のHPによりますと、ディスプレイお願いします。
作業療法とは、運動や感覚・知覚、心肺や精神・認知など心身機能の基本的動作能力。食事やトイレ、家事など、日常で必要となる活動の応用的動作能力。地域活動への参加、就学、就労の社会的適応能力といった3つの能力を維持・改善し、「その人らしい」生活の獲得を目標にすることと説明があります。
アメリカでは作業療法士の資格を取得した50%の方が学校で勤務するとのことです。
文部科学省の資料にも学校に置かれる専門スタッフとして作業療法士の記載がありますが、本市の学校における作業療法士の配置状況、業務内容を伺います。
答弁3
作業療法士の配置等についての御質問でございますが、田島支援学校には2名を、中央支援学校には1名の作業療法士を配置し、在籍する児童生徒に対して、作業を通じて、遊び、食事、学習等に係る指導を行っております。
また、児童生徒の日常生活動作の習得に係る具体的な支援等について、教職員に助言を行っているところでございます。
設問4
飛騨市では、市内の小学校に作業療法士を配置し、作業療法室を設置しました。教育現場へ作業療法士を配置するまでのプロセスをHP等で確認しますと、学校を理解し、思いを尊重しながら、相談から訪問へ丁寧なプロセスを経て、手を挙げた学校の中からモデル事業を実施。月1から週1で作業療法士が在中していく中で、現場からも高評価で「継続実施」となり、今年度から小学校への配置を行っています。配慮の必要なこどもが増加傾向の昨今、作業療法室には様々な子どもが訪れ相談対応にあたり、先生方とコラボしていくためにお互いの文化を織り交ぜていく観点から、先生方のニーズに応じた研修を行い、学校運営のパートナーの様な存在となって様々な好循環を生み出しているとのことです。
全国から100人集い、ウェルビーイング・フォーラムが開かれました – 飛騨市公式ウェブサイト (city.hida.gifu.jp)
本市も作業療法士の増員し、相談、巡回体制の充実を行っていくべきと考えますが、伺います。
答弁4
作業療法士の増員等についての御質問でございますが、
特別支援学校に在籍している児童生徒への支援を充実させるため、今年度、田島支援学校の作業療法士を1名増員したところでございます。
地域の小中学校への巡回につきましては、特別支援学校のセンター的機能の担当教員とともに、小中学校を訪問し、特別支援学級等の教職員への相談支援を行っております。
また、作業療法士等が講師となり、研修会を夏季休業中に開催し、教職員が特別な教育的ニーズのある児童生徒に対する理解を深め、関わり方や必要な配慮・支援について学ぶ機会としているところでございます。引き続き、学校現場におけるニーズを踏まえ、作業療法士等の専門職の確保など、より良い教育環境の整備に取り組んでまいります。
要望
ぜひ、取り組みを進めて頂ければと思います。
ご自身も発達障がいのお子さんを子育て中の、作業療法士の方にお話をお聞きしました。
「早い段階での継続的なアセスメントができる専門家によるアプローチはその子らしい生き方をするためにも必要。「ひょっとしたら、うちの子は他の子と違うかもしれない」と悩んでいる保護者の方達も救われる。子どもには支援を受ける権利があると思います」
とお話されていました。支援級、及び診断はついていないものの、いわゆるグレーゾーンと言われる子ども達が増え続けている中で、療育と教育の連携、作業療法士をはじめとした専門職による学校現場への支援は子ども、保護者への支援、強いては先生方の負担軽減にも資する取組だと思いますので、引き続き取り組ませて頂くことを申し上げて、次の質問に移ります。