12月議会一般質問②【学校の新型コロナ対策について】
※正式な議事録ではありません。
学校の新型コロナ対策について教育次長に伺います。
設問1
11月に入り、連日臨時休業の報告が届いています。夏休み明けの9月から11月までの月ごとの学校関係者の陽性者数の推移を伺います。
答弁1
新型コロナウイルス感染症についての御質問でございますが、児童生徒及び教職員について陽性と報告があったのは、9月は 2844人、10月は 1350人、1 1月は4270人となっております。
設問2
1ヶ月で4000人超え、11月に入り前月の3倍強ですから学校の感染拡大は以前として発生しているわけです。学校には基礎疾患を持っている教職員、子どももいます。またまれに新型コロナに感染した子どものうち、心臓の動き等が悪くなるMIS-Cと呼ばれる子ども特有の後遺症を発症することも分かってきています。子ども達、そのご家族、教職員の方達を守るためにも感染拡大が続く学校での更なる感染対策は必須と考えます。
10月19日、文科省から「新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行も見据えた今後の感染対策について」とする通知が発出されました。
新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行も見据えた今後の感染対策について (mext.go.jp)
そこには、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するには効果的な換気を行い、学校についても二酸化炭素濃度を1000ppm以下に維持することが望ましいといった記載があります。現在の市立学校の二酸化炭素濃度基準はどのようになっているのか、またその基準に基づいて、教室の二酸化炭素測定結果はどうなっているのか、コロナ禍前の2019年、コロナ後の2020年、21年それぞれの適合率を伺います。
答弁2
教室の二酸化炭素濃度についての御質問でございますが、市立学校の二酸化炭素濃度基準につきましては、建築物衛生法で定める特定建築物に該当する学校は、建築物環境衛生管理基準に定める1,000ppm以下、それ以外の学校につきましては、学校環境衛生基準に定める1,500ppm以下を基準としているところでございます。
次に、教室の二酸化炭素濃度の測定結果につきましては、各学校で年に2回行う検査の結果から、仮に、学校環境衛生基準に基づく適合率を算出いたしますと、令和元年度は、1回目 7 9.3%、 2回目 7 8.6%、令和2年度は、1回目 98.4%、 2回目 9 5.7%、令和3年度は、1回目 99.7%、2回目 98.6%となっております。
設問3
コロナ禍前は7割台であった適合率が、2020年、21年9割台と改善しているとのことですが、本市は学校環境衛生基準に基づき二酸化炭素濃度基準を1500ppm以下にするとのことです。その点について文科省に確認をしました。文科省によると22年7月に取りまとめられた新型コロナ分科会の提言に基づき、学校についても1000ppm相当に取組むことが望ましいと各教育委員会に依頼しているという回答でしたので、国と市で解釈に相違があると感じます。実際に
これは教育委員会さんに作成していただきましたが、1500ppmを基準にしたグラフです。赤い線の部分が不適合の教室となります。この1500ppmの規準から文科省が推奨する1000ppmにラインを引き下げてみますと
不適合となる教室も増えることになります。1500ppm基準でも感染が拡大しているわけですから、基準を改めることもぜひ検討いただければと思います。
次にこの衛生検査では二酸化炭素濃度と一緒に教室内の温度も測定されているとのことです。
これが、その結果になるのですが、17度~28度が望ましいとされている教室内温度について、特に冬場、2回目の適合率が80%台から50%台と下降しています。またよく見てみますと、気温が7.5度を記録している教室も確認できました。外ではありません、教室内の温度です。原因は窓を開けっぱなしの換気が推測されます。平間小学校の好事例も紹介しながら提案している二酸化炭素濃度の見える化、CO2モニタを用いての効果的な換気が必要です。現在、各校一個の配置としているCO2モニタを全教室に配備するよう以前から要望しています。その検討状況、及びこの教室の温度についてどのような対策を行っていくのか伺います。
答弁3
二酸化炭素濃度測定器についての御質問でございますが、はじめに、測定器につきましては、昨年10月に教育委員会から各学校へ1台ずつ配置したほか、各学校が必要に応じて購入しているところでございますが、測定器は換気の状況を確認するために有用でございますので、今後、教育委員会からの追加配置について検討してまいります。
次に、教室内の温度につきましては、全熱交換器又は換気扇などの換気設備が各教室に設置されていることから、これらを活用するとともに、気候や児童生徒の活動状況、二酸化炭素濃度の測定結果に応じて、定期的な窓開けやサーキュレーター等の補完機器を使用することにより、適正温度の確保と効果的な換気に努めているところでございます。
さらに、現在、令和6年度からの学校空調設備等のー斉更新整備を予定しており、その中で、全熱交換器の設置に向けて検討を進めているところでございます。
設問4
CO2モニタ追加配置についてのご検討、ありがとうございます。
二酸化炭素濃度の測定結果に応じて効果的な換気とのご答弁です。全ての教室への設置に向けた確実な取組、現在品薄ともお聞きしておりますので、来年度にかけて設置期間がかかるのであれば確実な予算措置も併せて強く要望させていただきます。
また体を冷やすと免疫力も低下します。全熱交換器も設置に向けて前向きなご答弁がありました。この機器は冷房で冷めた空気、暖房で温めた空気を回収、再利用し室内の温度を保ったまま換気ができる機器であり、新型コロナ分科会からも推奨されている設備です。
この全熱交換機について、現在3675ある普通教室のうち、どれぐらいの教室に設置してあるのでしょうか、また現職の先生に少しお話を伺いましたが、導入した時期の前後によって機能を知らない方、電気代を気にして使用していない方もいらっしゃるようです。室温を保てるわけですから、空調設備の負荷も小さくなりトータルで節電効果も期待できます。改めて機能及び活用方法の周知を行うべきではないでしょうか。伺います。
答弁4
全熱交換器についての御質問でございますが、
全熱交換器につきましては、平成20年度及び平成21年度に実施した小中学校の普通教室への空調設備等の一斉整備において、約2700教室に設置したほか、その後の増築や改修の際にも必要に応じて設置していることから、現時点では、約80%程度の教室に全熱交換器を設置しているところでございます。
近年、換気を補完する機器を用いた効果的な換気方法について、様々な方法が文部科学省等から示されており、全熱交換器も活用した効果的な換気方法等を各学校へ周知してまいります。
設問5
ありがとうございます。
最後に空気清浄機についてです。答弁にあった文科省は、全熱交換機に並び空気清浄機の導入も推奨しています。台東区の我が党の区議が調査を行ったところ、台東区内の19の小学校のうち9月から11月の間一人も陽性者が確認されなかったのは全教室に空気清浄機を置いた学校だったとのことです。
もちろんまだ3カ月といった短い期間ですし、感染源、経路が学校だけではありませんので、確固たるエビデンスになるわけではありませんが、文科省も推奨し、これだけ感染が広がる状況下での0という結果、空気清浄機の設置は感染拡大防止の効果が大きく期待できるのではないでしょうか。今はいわゆる箱型のモノだけではなく、エアコンに直接設置するタイプや壁に設置できるモノもあります。まずは全熱交換換気が設置されていない教室への優先設置、また今後は全教室への設置も検討していくべきではないでしょうか。伺います。
答弁5
空気清浄機についての御質問でございますが、
空気清浄機につきましては、メンテナンス等の課題があることや、今後、学校空調設備等の更新整備を予定していることなどから、現在、各教室に設置する考えはございませんが、引き続き、各教室の換気設備や二酸化炭素濃度測定器の活用、気候や児童生徒の活動状況等に応じた窓開けやサーキュレーターの併用など、適切な換気を実践していくことにより、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に取り組んでまいります。
要望
CO2モニタ、全熱交換機までは非常に前向きなご答弁でしたが、空気清浄機については現在のところお考えはないというご答弁でした。メンテナンスの課題については、私達は再三、横浜市が行っているように学校事務支援員の増員を求めています。空調設備の更新整備に合わせて設置、とも解釈できますが、それでは遅すぎます。
新型コロナウイルスの感染拡大から3年が経過し、各学校現場は少しずつ、できる範囲で学校生活を取り戻そうとしています。しかし今だに多くの陽性者が確認され学級閉鎖が相次ぎ、感染拡大に伴って楽しみにしていたイベントの縮小、中止、学校でクラスタが発生し罹患し、一生懸命準備した定期試験に受けられなかった、部活の試合に出場できなかったといった生徒達がいます。
川崎で育ち、学ぶ子ども達が通う学校は、川崎市の責任で国の補助金もフル活用しながら万全の感染対策の環境を整える。学校現場を応援してこそ、学びの保障、不安の払しょく、一人でも多くの子ども達の笑顔に繋がるのではないでしょうか。空気清浄機の配置は引き続き要望することを申し上げまして、次の質問に移ります。