徹底再現川崎市議会テーマ①住宅リフォーム制度
議長 それではこれより、徹底再現川崎市議会IN夢ホールを開会いたします。
市民からの発言を認めます。
市民役の方が挙手
市民 議長
議長 市民の方
※ご発言いただいた市民の方のお名前等は伏せさせていただきます。
市民 私は○○と申します。46歳になり、子どもも大きくなりました。今、私は川崎中部建設労働組合で事務局として働いています。建設産業の現状から川崎市に要望します。現在、どの職種でも後継者不足が深刻です。建設業も高齢化が進み、事業継続も困難になり、若い人も建設業に入職が大きく減少する業種になっています。
国は公共工事設計労務単価の引き上げやキャリアアップシステムなど、政策を打ち出していますが、すぐには地域の建設業者には届きません。早急に対策を取らないと町に技術者たちはいなくなってしまいます。その上、大手企業の進出で、新築工事もリフォームも町場の工務店では価格競争でなかなか太刀打ちができずにいる状況です。努力しても大手が仕事を持って行ってしまいどうしようもなくなっています。この状況を打開できる地域中小企業への支援をもっと頑張ってほしいと思っています。
そこで長年私たちが求めているのが、住宅リフォーム助成制度の創設をお願いします。地域経済の活性化や居住空間の向上のため、市民の皆さんが市内の施工業者を利用して個人住宅のリフォーム工事を行う場合に、その経費の一部を助成する制度の創設です。
神奈川県内では、昨年5月に綾瀬市で「住宅リフォーム券発行事業」が行われました。コロナ禍で地域経済が低迷する中、県内でも画期的な制度でした。10万円の住宅リフォーム券を5万円で販売し、市民のリフォーム費用負担を軽減、購入限度は5枚(25万円)まででした。今年は、清川村で5万円以上の工事に対し、各区分に定める補助をする住宅リフォーム助成制度が開始されます。
全国を見てもこれまで様々な住宅リフォームの助成制度が創設され、大きな地域の活性化が生まれています。今、町に建設職人が非常に少なくなっています。様々な問題はありますが、仕事がなく大手企業の仕事をせざるを得なくなり、大手企業に囲われ、町場で自由に動ける職人が非常に少なくっています。そのため地域・町で気軽に家のことを相談できる建設職人がいなくなっていること。これは川崎市が抱える大きな問題です。
大災害が起きた時も建設従事者が復興復旧に大きな役割を果たします。
地域建設職人を育成することは、この川崎を守ることにもつながる喫緊の課題です。私たちが要望している住宅リフォーム助成制度、地域で建設業者が働いていける、育成することができる施策をぜひ早急にお願いしたいと思います。
川崎市 議長
議長 川崎市
川崎市 住宅リフォーム助成制度についてのご要望でございますが、本市におきましては、耐震改修や高齢者の住宅改造など、目的を明確にした住宅工事等の助成制度を既に実施しているところでございます。地域経済を活性化させるためには、地域に根差した中小建設業事業者が自らの事業を継続発展させていくことができるよう支援していくことが重要であると考えており、今年度も営業力強化を目的とした事業者向けの研修会や、消費者とのマッチングの場となる無料住宅相談会等の実施を予定しているところでございます。こうした取組を通じて支援することにより、市内中小建設業の振興と市内の経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。
市古 議長
議長 市古議員
市古 少し、住宅リフォーム助成制度について、補足説明をさせて頂きたいと思うのですが、ディスプレィお願いします。
これは羽生市の住宅リフォーム助成制度のリーフレットです。ここに記載の通り、外壁塗装、屋根の改修工事、キッチン、トイレ、ユニットバスの交換工事、玄関、廊下、居間、雨漏り修理等、多岐にわたるリフォームが助成の対象となる制度です。加えて、施工業者を市内中小企業と限定することによって、地域の中小企業を応援し地域経済を活性化させようという制度となります。
さて、今の答弁は他の支援を行っているから住宅リフォーム助成はやらない。という答弁のようですが、市民の方からのご要望の中で、コロナ禍で地域経済が低迷するなか、綾瀬市は住宅リフォーム券発行事業に踏み切ったとありました。それではコロナ前とコロナ禍で市の支援、対応にどのような変化があったのか確認したいと思うのですが、2018年、私達の住宅リフォーム助成制度要望になんと答弁されたのか伺います。
川崎市 議長
議長 川崎市
川崎市 住宅リフォーム助成制度についての御質問でございますが、本市の住宅工事等の助成制度といたしましては、耐震改修や高齢者の住宅改造等、目的を明確にして既に実施しているところでございます。地域経済を活性化させるためには、地域に根差した中小建設業事業者が消費者のニーズにきめ細かく対応していくとともに、事業者みずからが主体的に事業活動を展開し、みずからの事業を継続、発展させていくことができるよう支援することが重要であると考えております。今年度も市内建設業の関係団体と協議を進めながら、事業者がみずから継続的に受注を確保できるよう、営業力強化を目的とした研修会や、消費者等とのマッチングの場となる無料住宅相談会等を実施したところでございます。今後とも、関係団体との意見交換を十分に行いながら、事業者の方々がみずからの事業を継続、発展させていくことができるよう支援することで、市内中小建設業の振興と市内経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。
市古 議長
議長 市古議員
市古 次のディスプレイお願いします。
市古 ちょっと字だらけで恐縮なんでが、赤字の部分が同じ文言、いわゆるコピペのところです。ほぼ同じなんですよね。この答弁をもう少し解説しますと、事業者自らが継続発展させていけるように、営業力強化を目的とした研修会、マッチングをやりますと言っています。研修とマッチングをやるからあとは自己責任でということです。しかし実態はどうでしょうか?そんな市場があるでしょうか?さきほどの市民の方からのお話の中で、大手企業が建設業界を囲っている、とありました。確かに。建つ家、建つ家、○○ハウス○○ハウスばかりです。そこで地域で看板を下ろした地元建設業者の方々は、下請け、孫請け、玄孫請けという形で次々と中抜きされ安い対価で仕事を請け負い、町で気軽に相談できる職人さんが減っているというのが実態なのではないでしょうか? ちなみにその利益は、○○ハウスの本社がある東京、大阪に吸い上げられ本市には還元されません。
このように答弁が一緒だということは、コロナであろうがなかろうが支援は変わりませんと、自己責任よろしくと聞こえるのですが、この3年に及ぶコロナ禍、川崎市は独自でどのような中小企業支援を行なってきたか、改めて伺いたいと思います。ほとんどの方は覚えていないと思いますが、2020年本市が掲げたコロナ支援に「川崎市小規模事業者臨時給付金」というものがありました。どのような想定でおこなった事業だったのか伺います。
川崎市 議長。
議長 小規模事業者臨時給付金についての御質問でございますが、給付金の対象者につきましては、事業規模が小さく、新型コロナウイルス感染症による影響を受けやすい小規模事業者を対象として設定したものでございます。給付の対象範囲につきましては、令和2年1月から申請を行う日の属する月の前月までの間で、1か月当たりの売上げの減少が前年同月比で30%以上50%未満の期間が1か月以上認められる事業者。給付金の支給金額につきましては、近隣政令市における小規模事業者向けの支給額を参考に10万円としたものでございます。対象事業者数につきましては、民間の信用調査会社が本年4月に全国を対象に実施したアンケート調査によると、前年同月との比較において、「売上げの減少が50%以上あった」または「売上げの減少はない」と回答した事業者の合計が全体の約3分の1であったことから、残りの約3分の2の事業者は給付金の対象になり得ると判断したものでございます。また、平成28年度の経済センサスに基づき、市内の小規模事業者を約2万7,600事業所、そのうち約3分の2の約1万9,000事業所が対象となると見込んだものでございます。
市古 議長
議長 市古議員
市古 ディスプレイお願いします。
市古 これが本市の小規模事業者臨時給付金の対象者です。事業収入減少が30%以上50%未満、想定申請件数19000件を見込んでいたわけですが、国の支援制度の50%以上収入が減少となった事業者が対象となる持続化給付金(法人200万円・個人事業主100万円)を受給した事業者は対象外。もし、国と市、双方の支援金を受給した場合、市の支援金は返還となります。
収入減少の割合が違うので、重ならないのではないか?と思われるかもしれませんが、問題は申請期間です。次のディスプレイお願いします。
市古 国の持続化給付金の申請は当時、21年1月15日までだったのに対し、次のディスプレイお願いします。
市古 市の給付金はその5ヶ月前の20年8月31日まで。市の事業の方が約5カ月申請期間が短い為、実際に地域の事業者からは「コロナの影響で仕事の先行きが不透明なのに、額の低い川崎市の支援策を先に貰ったとして、もしその後、経営状況がさらに悪化して国の制度を活用したら返せってことなら、申請するのに躊躇する」という声が複数届きました。次のディスプレイお願いします。
一方でさいたま市も本市同様に一律10万円を支給する支援制度を実施してました。こちらの制度は減少額(割合)に定めはなくコロナの影響で減少があれば給付の対象としています。
さいたま市の担当の方に確認したところ、持続化給付金を受給した方も対象になるとのこと。さらに、さいたま市は8月6日、申請期間を9月30日まで延長を決めています。 同じ10万円を支援する制度です。対象範囲、国の持続化給付金と併せて給付の可否、申請期間の延長という柔軟な対応等、同じ支援制度なのに運用の差の大きさに驚きます。当時、もちろん議会でもこの制度が市から示されてから、対象範囲の拡大や、持続化給付金との同時受給を認めること、支給金額の引き上げ等、制度の改善を要望しましたが、応じることはありませんでした。結果、予算額に対して、支給額、執行額はどのようになったのか伺います。
川崎市 議長
議長 川崎市
川崎市 小規模事業者臨時給付金ですけれども、予算は20億円でございました。今回、経済労働局のほうから執行見込額がおよそ1億2,000万円程度という報告を受けております。
市古 議長
議長 市古議員
市古 次のディスプレイお願いします。
市古 20億円の予算が組まれた給付額は1.2億円、執行率はわずか6%。市内事業者19000者を想定していたのに対し1140者で申請終了。では未使用となった19億円はどうしたのか、次のディスプレイお願いします。
市古 支給対象や期間が拡充。延長されることもなく、ほとんどの市内事業者に届くことはなく、出資元である減債基金に返還されただけです。だから市民の皆さんには知られていない。当たり前ですよね。これ、やっているフリだけですもんね。
改めて住宅リフォーム助成制度の地域経済への効果についても触れておきます。福岡県の自治体問題研究所の資料によりますと、2012年の1年間の助成件数2823件、助成金額2億9千万に対して、工事総額は45億4926万円と15.65倍になったとのことです。利用者側へのアンケートもあります。次のディスプレイお願いします。
市古 制度を知らなくてもリフォーム予定だった方が29%に対し、検討していたが助成事業を知って制度を活用された方が59%、リフォームさえ考えていなかったが制度を知ってリフォームを決めた方が11%と助成制度がきっかけとなってリフォームを決断された方は7割に及びます。
地域経済への波及効果については、まだつづきがあります。建設業だけでなく、建設資材や関連サービス産業の生産が増え、次いでそこで働く人の家計消費に関わる消費関係産業の生産が増え、結果、次のディスプレイお願いします。
地域内建設業をはじめとする地域内産業の納める地方税収入の増加は1億5千万円と見積もられ、助成額のほぼ半分が戻ってくる地域内の所得循環が期待できると自治体問題研究の報告書はまとめています。冒頭で市民の方がお話していた通り、現在でも次々と同助成制度を始める自治体があり、全国700以上の自治体で実施され、その数は広がりを見せています。
小規模事業者臨時給付金のようなやったふりではなく、地域経済への波及効果や地元建設業の活性化、技術を継承する場としてもその効果は実証済みである住宅リフォーム助成制度のような、実効性のある中小企業支援を行なうことを引き続き要望することを表明し、私の質問を終わります。
議長 開会から1時間を経過しましたので、ここで5分間の換気休憩を取りたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか?
川崎市・市古 異議なし
※5分間の換気休憩