日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2022年3月9日

予特質問① 次世代自動車等推進事業費について

4款1項3目 次世代自動車等推進事業費について伺います。

※正式な議事録ではありません。

設問1

 次世代自動車等推進事業費1837万9千円のうち554万3千円を公用乗用車の電動車率先導入費用に充て、2030年までに100%をめざすとのことですが、公用車に電動車を率先導入する意義について、伺います。

答弁1

 公用車への電動車率先導入の意義についての御質問でございますが、今年度末に改定予定の「地球温暖化対策推進基本計画」において、 2030年度の温室効果ガス50%削減の目標達成に向けて設定した「基本的方向」のひとつに、「市役所が自ら率先して脱炭素化にチャレンジしているまち」を掲げ、その中で、公用乗用自動車への次世代自動車の導入の加速化を位置付けたところでございます。

 市役所が率先して公用車の電動化の取組を進め、脱炭素化にチャレンジすることで、市内のCO削減に貢献するとともに、市民・事業者の取組の模範となり、環境に配慮した自動車のニーズ拡大を促すなど、社会変容を先導してまいりたいと考えております。

設問2

 次に具体的な計画についてお聞きしますが、本市の公用乗用車は219台と事前にお聞きしました。「川崎市総合計画第3期実施計画案」によりますと、

川崎市:「川崎市総合計画 第3期実施計画 案」をとりまとめました (city.kawasaki.jp)

現在、公用乗用車219台のうち36.1%、79台の電動化が進んでいるとのことですが、来年度は何台の電動化導入を進めるのか、また2030年まで残り8年になりますが、どのような計画ですすめていくのでしょうか、伺います。

答弁2

 電動車の導入予定についての御質問でございますが、令和4年度につきましては、電気自動車8台、ハイブリッド自動車10台を新たに導入する予定としております。

今後につきましては、令和12年度までの公用乗用車の電動化率100%を目指し、電動車の開発動向を踏まえながら、車両の入替時期を適切に調整するなどにより、計画的に電動車の導入を進めてまいります。

設問3

 計画案によりますと、来年度は38%の目標でしたが、

 予算計上通り18台の電動化が進めば、44%で計画を上回ります。554万円余の予算で18台と聞いて驚いたんですが、車両入替時に通常のガソリン車を導入した場合の費用と電動車導入時の費用の差額を主に予算計上されているとのことですので、安心いたしました。半導体不足など様々な社会情勢があるとは思いますが、ぜひ前倒しの計画達成に向けて取り組んでいただけたらと思います。

 さて、本計画では公用乗用車100%としていますが、この「乗用車」以外の公用車はどのようなものがあるのか事前にお聞きしたところ、バスが352台、トラックやバンなどの貨物自動車が193台、軽貨物自動車が337台、ゴミ収集車や消防車等、特殊な用途に使用する車両が561台で合計1443台とのことでした。ディスプレイお願いします。

 つまり、公用乗用車よりもその他の車両の方がはるかに多いわけです。こういった車両も可能な範囲で電動化対象に加えていくべきだと思います。ゴミ収集車はJFEが開発したEV車が1台ありますが、ゴミ収集能力には課題があること等、まだまだ実用化が難しい車両はあります。しかし、ここ本庁で良く見かける上下水道局の軽貨物や、町でよく見かける道路公園センターの黄色い軽貨物については337台。

 公用乗用車よりも台数が多いわけですが、EV化は8台でとどまり、計画対象車にも含まれていません。理由は現在、販売が止まっているとのことですけども、今後、各メーカーの開発が進み、軽貨物の電動車が市販された際には、軽貨物車両も含めて率先して電動化をすすめるべきです。伺います。

答弁3

 軽貨物車両の電動化についての御質問でございますが、国の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」には、乗用車以外の自動車についても電動車の販売目標が示されており、今後、自動車メーカーによる開発が進むことが想定されますので、市場の動向を注視し、軽貨物車両も含め、環境性能に優れたものを順次導入していけるよう、関係局と調整してまいります。

設問4

 次に自家用車への電動車両の普及についてです。他の政令市、福岡市や札幌市では市民を対象に電気自動車等への購入補助金を創設しています。福岡市は電気自動車購入時に10万円、プラグインハイブリッドに5万円、

福岡市 令和3年度 福岡市次世代自動車の普及促進(電気自動車等)補助金 (fukuoka.lg.jp)

 札幌市は車種別に4万7千円から30万円の購入補助金を設け、充電蓄電器となるV2Hも別途購入補助金を設定しています。

札幌市次世代自動車購入等補助制度/札幌市 (city.sapporo.jp)

 軽自動車についても触れておきます。実際、次世代自動車、特にEV車はまだまだ大変高価で新車価格では400万円から500万円以上の車両がほとんどです。環境意識が高くても手が届きにくいのが現状ではないでしょうか。一方で価格も比較的安価なことに加え、市税収入に直結する軽自動車は軽自動車税、市内登録台数ともに税制が変わった2016年度以降、増加が続いています。

 今後は各メーカーも軽自動車の電動化を進めていくといった報道もあります。比較的多くの市民の方々に手が届きやすく、市税にも直結する軽自動車も含めた次世代自動車購入補助金の創設を検討するべきではないでしょうか。伺います。

答弁4

 次世代自動車への補助金についての御質問でございますが、本市におきましては、地球温暖化対策を推進するため、補助制度を設けており、その中で、自動車と住宅との間で電力を融通するビークノレ・トゥ・ホーム、一般にV2Hと呼ばれているシステムについて、太陽光発電設備と併せて導入する場合は5万円の補助を、さらにV2Hの導入と同時に電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車を導入する際には最大で10万円の補助を実施しております。

 車両単体への補助制度を設けている自治体があることは認識しておりますが、電気自動車の普及に向けましては、価格面に加えて、航続距離に対する不安や充電インフラ環境の充実等、様々な課題があると考えているところでございます。

 こうしたことから、どのような支援策が最も効果的か、他都市の動向等も注視しながら、様々な手法について、幅広く検討してまいります。

要望

 V2H購入時の補助金について否定はしませんが、いかんせん実績が伸び悩んでいるということもお聞きしています。環境省が2019年度にまとめたCO2の排出量の分野別割合によりますと、

 自動車等の運輸分野は発電所、産業に次いで3位18%と大きなウエイトを占めている分野の一つです。かわさきカーボンゼロチャレンジ2050の「策定の背景」には「このまま地球温暖化が進めば21世紀後半の日本において、経験したことのない影響が出てくる」「2030年までが勝負の10年」といった決意が記されています。公用乗用車の一刻も早い電動化に加え、最初の答弁では環境に配慮した自動車のニーズ拡大を促すといった文言もありましたので、エコカー補助金のような市民の方々を後押しする、加えて海外からの輸入に頼らない地産地消の再生可能エネルギー拡大に取組むといった、実効性のある政策を引き続き提案、要望させていただきまして次の質問へ参ります。


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