日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2021年10月1日

決算審査特別委員会③ 危険なブロック塀等の撤去について

※正式な議事録ではありません。

ブロック塀等撤去促進助成金について伺います。

設問

 2018年6月18日にマグニチュード6.1を記録した大阪府北部地震により、通学中の女子児童が小学校のブロック塀の倒壊で下敷きになり尊い命が奪われました。このブロック塀はプールの基礎部分(高さ1・9メートル)の上に1・6メートルのブロックを積み上げた造りで、1・2メートルを超えるブロック塀に補強用の「控え壁」の設置などを義務づけた建築基準法施工例に違反していた危険なブロック塀であったことが報道されています。

小4犠牲のブロック塀撤去で温度差 大阪北部地震1年:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 本市は同年11月から市内にあり道路または公園に面し安全性の確認ができない高さ1.2mを超えるブロック塀等に対し、撤去に要する費用の2分の1、上限30万円の要件で助成事業を実施していますが、令和2年度決算のうち、通学路沿いにある危険なブロック塀について、まず、令和2年度分の実施件数、次に当初、危険とされる指導箇所60箇所が確認されていますが、残りはあとどれぐらいあるのか、区ごとの個所数も合わせて伺います。

答弁①

 ブロック塀等撤去促進助成金についての御質問でございますが、はじめに、通学路沿いのブロック塀につきましては、令和2年度における危険が解消された件数は、 12件でございます。

 次に、令和3年3月末時点で改善がされていない残りの件数につきましては、 37件でございます。区別の内訳につきましては、川崎区2件、幸区12件、中原区7件、高津区4件、宮前区5件、多摩区5件、麻生区2件でございます。

設問②

 もともとこの制度は令和2年度までの時限的な措置だったはずですが、なぜ今年度も継続されたのか伺います。

答弁②

 助成制度の継続についての御質問でございますが、助成制度につきましては、当初、緊急対策で令和2年度までの時限制度として実施してまいりましたが、引き続き、全国的に、危険なブロック塀の改善が求められていることから、国の社会資本整備総合交付金に、ブロック塀の安全対策が基幹事業として位置づけられ、本市におきましても、令和3年度以降、事業を継続しているものでございます。

設問③

 基幹的な事業として分類される社会資本整備総合交付金に位置付けられたということですから、この事業の重要性を物語っているのだと思いますが、当初選定された60件という危険個所ですが、学校の先生方が選定したとお聞きしたことがあったのですが、

実際のところどなたが選定したのか、伺います。

答弁③

 ブロック塀の選定についての御質問でございますが、ブロック塀の危険箇所の選定につきましては、平成30年度に教育委員会で行った緊急調査において抽出した、安全陛が確認できないブロック塀について、建築指導課の職員が再度調査を行い、 60件を選定したものでございます。

 なお、通学路沿いのブロック塀の安全性について、より専門的な視点で確認するとともに、所有者に対して危険なブロック塀の改善啓発を行うため、今年度から、建築士などの専門家による市内小学校の通学路沿いの調査啓発業務委託を、優先順位の高いものから、年間10校を目標として行っているところでございます。

設問④

 ありがとうございます。教育委員会が抽出した場所に絞って建築指導課の方々が調査したということですから、専門家の方に改めて抽出も含めたに調査は大変意義のあるものだと思いますが、1年で10校となりますと、市立小学校114校あるわけですから、全ての学校の通学路を点検するのに10年以上かかることになります。ペースを上げるべきではないでしょうか? 伺います。

答弁④

 委託についての御質問でございますが、

 通学路沿いのブロック塀の専門家への調査啓発業務委託につきましては、今年度から開始しているものでございますので、今後、優先順位や実施状況等を踏まえ、必要な対応について検討してまいります。

設問⑤

 最後に制度要件についてです。横浜市は撤去だけでなく、新設費用も含めた補助を行い、高さも1m以上と対象を広げています。また大田区は見積・施工業者を区内中小事業者に限定としています。事前に令和2年度の施工事業者の発注先をお聞きしたところ、全体の54%にとどまっています。本市もこういった他都市の事例のように要件緩和や市内事業者に限定する等、要件を変更するべきではないでしょうか。伺います。

※こちらは横浜市ブロック塀等改善事業 横浜市 (yokohama.lg.jp)

そして…川崎市:ブロック塀等の安全点検と撤去の助成制度 (city.kawasaki.jp)

答弁⑤

 助成金の制度要件についての御質問でございますが、

 はじめに、民間のブロック塀等につきましては、所有者が自らの責任において適切に維持管理を行うことが原則と考えております。助成制度は、市民の皆様の安全陛の確保を優先として作られたものでございますので、本市におきましては撤去を対象としております。

 次に、助成対象を市内業者に限定することにつきましては、工事請負契約を円滑に進めていただくため、市内業者には限定しておりませんが、業者の紹介を希望される市民の方に対しましては、パンフレットで、市内業者の一覧が掲載されているホームページをご案内しております。

要望

 この事業は令和2年度予算額2000万円のうちの決算額615万円ですから、まだまだ活用されていない状況です。加えて事業開始から2年が経過していますが、通学路沿いの危険なブロック塀については当初の60件から撤去を行えたのは23件と半分にも達していません。また、現在、専門家の再調査も行われているわけですから、撤去が必要となる危険なブロック塀が今後も増加する可能性もあるわけです。国も重要性を示しているわけですから、今まで通りのやり方ではなく、ブロック塀所有者の方がもっとご協力いただけるような、制度要件の見直しも含めて検討を行っていただき、市民の皆様、そして子ども達の安全を守るために引き続きご尽力いただければと思います。


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