決算審査特別委員会① 地域交通補助金について
9月議会での決算審査特別委員会の質疑も終わりましたので、順次取り上げた項目を掲載させていただきます。
決算審査特別委員会とは…「決算」が議会に提出される9月定例会において、その認定審査のために設置される委員会です。
※正式な議事録ではありません。
地域交通補助金についてうかがいます。
設問1
この補助金は、昨年の4月7日から5月25日までの緊急事態宣言期間中、路線バスの運行を継続した路線バス事業者に対し、交付対象車両1台につき8万円を支給したものですが、運行を継続したというのは、どういう意味合いなのか伺います。また、それぞれのバス事業者への支給内訳を伺います。
答弁1
地域交通補助金についての御質問でございますが、路線バス運行支援金につきましては、昨年4月7日から5月25日までの緊急事態宣言期間中に路線バスの利用者が大きく減少する中で、市民の足を確保するために運行を継続したことに対し、当該期間中の運行経費のー部として、 1台当たり8万円を支援したものでございます。
内訳といたしましては、川崎市交通局が343台、 2,744万円、川崎鶴見臨港バスが274台、 2,192万円、東急バスが202台、 1,6 16万円、小田急バスが104台、 832万円、コミュニティ交通を運行する高橋商事が4台、 32万円の合計927台、7,416万円でございます。
設問2
バス事業者の反応はどういったものだったのでしょうか、伺います。
答弁2
地域交通補助金についての御質問でございますが、バス事業者からは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により利用者が大幅に減少し、経営状況に大きな影響が出ていた中における本支援について、一定の評価をいただいたととろでございます。
設問3
利用者の大幅な減少ということですが、今年3月に出された「川崎市地域公共交通計画」によりますと、長引くコロナ禍により、特に昨年の4,5月は4割から7割、利用者が減少している状況が示されていますが、直近の状況ではどの程度、減少となっているのか伺います。
答弁3
路線バスの運行についての御質問でございますが、本市におけるバスの利用者は、新型コロナウイルス感染症の影響により、本年5月において一昨年同月と比べ依然として3割程度減少している状況であるとバス事業者から伺っております。
設問4
本事業の補助金対象事業者である臨港バスの川崎駅から新川崎駅を経由し元住吉駅まで運行している「川60」系統について伺います。この補助金事業の対象期間、昨年4月7日から5月25日までは減便を行わなかったものの、その後7月から減便を行い、平日26本あった便が、現在はたった1本です。利用者3割減に対して、「川60」系統は約95%の減便となっています。
幸区の地域の方々や町会長の方々も要望書を届け、中原区でも運行ルートとなっている石神橋近隣にお住いの方からも突然の大幅減便で移動手段がなくなったという切実な声が届いています。バス停は近くにあるのに、バス交通空白地域が形成されてしまったわけです。
我が党の渡辺議員もこの問題については取り上げていますが、先の6月議会では、「路線バスの減便につきましては、バス事業者からは、新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえ、バスの利用動向に合わせ運行回数などを変更していると伺っております。」という局長のご答弁がありました。しかし、一日1便で利用動向をどう計るのでしょうか?
先の公共交通計画では、バスの利用時間帯は、朝5時から21時以降まで、それぞれの移動目的に応じたニーズが示されています。ニーズがあるわけです。新型コロナの影響を踏まえた利用動向に合わせるのであれば、直近の利用者が3割減ということですから、最低でもコロナ禍前の26便の7割、18便まで早急に便を確保するよう、臨港バスへ市から要請するべきです。伺います。
答弁4
路線バスの運行についての御質問でございますが、
路線バスの減便につきましては、当該バス事業者が運行するバス路線全体における利用者の回復が見込めるまで運行回数などの検討は難しいと伺っているところでございます。
本市といたしましては、今後の動向を注視し、便数の確保や利用者への丁寧な説明を行うことなど、引き続きバス事業者に要望してまいりたいと考えております。
要望
路線バス利用者の回復と仰っているようですけども、テレワークが広がり、生活様式も変容していくなかで、コロナ前に戻るまで便を戻さないというのは、特にこの「川60」系統に関しては全く理解できません。この路線の減便は余りにも唐突であまりにも極端すぎるからです。
この問題は、地域の方々、特に障害をお持ちの方や高齢者の方にとっては、ふだん暮らしていた町から突如として移動手段が消えてしまったという重大な問題です。「川崎市地域公共交通計画」にはめざすべき将来像として「身近な交通環境等においては、誰もが安全、安心、快適に移動できる交通環境の整備」と謳っているわけですから、引き続き臨港バスへの強い改善要望、また事業者の皆さんから一定の評価があった当事業、市独自の地域交通補助金の再支給、あるいは市バスの運行も含めて検討をしていただき、市民の生活にとって欠かすことのできない「移動の権利」の確保に全力を挙げていただくよう要望させていただきます。
川崎市地域公共交通計画
tiikikoutuukeikaku.pdf (city.kawasaki.jp)