日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2020年4月3日

新型コロナウイルス学習会

 4月2日、川崎市議会で新型コロナウイルス学習会が行なわれました。講師は、国立感染症研究所感染症情報センター長などを歴任され、現在本市の健康安全研究所所長、及び国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の委員を勤めている岡部信彦先生。

 以下、岡部先生から提供された資料を基にまとめてみました。情報共有という形で掲載させていただきます。

2000年以降の主なウイルス病

①SARS(2002年~2003年)

人の移動が現在とは違う(少ない)為、
感染者は8000人程度に抑えられたのではないかとのこと
感染源はコウモリ(ハクビシン)と言われています

②新型インフルエンザ(2009年)

2000年代で初めてパンデミックとなった新型インフルエンザ、見にくいですが、
赤いマルがお亡くなりになられた方の分布図とのこと

 ちなみに、現在(4月3日)の新型コロナウイルスの拡大状況を見られるサイトもありました。ご参考までに。

Wuhan Coronavirus(2019-nCoV)Global Casesより

 

③MERS(2013年~)

MERS
ハクビシン・コウモリ⇒ラクダ⇒人に感染したウイルスとのこと。2019年6月でもサウジアラビアでは
約30人ほどですが発症しているようです。

コロナウイルスのここまで

①症状・特徴

武漢がある湖北省以外は感染が拡大していない
急激なスピードで悪化するケースも
白く濁っているように見えるのが肺炎の症状、左下の状態は危険な状態、
右上ぐらいであれば、治癒できるとのこと。
特徴的なのは80%が軽傷、
一方で80歳以上の方の致死率が高い
※スペインインフルエンザ(1918年)
致死率は高くありませんが、当然のことながらピラミッドが大きくなれば、
死者は増えるとのこと

②各国の状況(致死率の違い)

左が国名、右が死亡者(致死率)とのこと、中国の4%を
イタリア(10.8%)スペイン(7.9%)フランス(6.2%)が上回っています。
一方でドイツは(0.7%)と低い水準です。

 岡部先生はこの違いについて、医療体制の差を指摘されていました。ドイツは普段から医療がしっかりしているとのこと。 

 確かに、先日ドイツはイタリアから重症患者を受入れたとの報道がありました。

③国内の事例から見る感染状況

感染者の8割の方が他人に感染させていないことには驚きました

④感染対策の考え方として、三つの密

別の報道では検査数の少なさも指摘され、それに伴う検査施設の少なさも指摘されています。

⑤致死率とクラスターの関連

愛知県のクラスター関連の致死率は12%に及びます
3月14日付け日刊スポーツの記事より

⑥その他質疑の中で岡部先生の回答

  • 川崎市にも人口肺装置ECMOが10台あるが、使える人が少ない
  • 感染者探しは犯人捜しではない
  • 川崎市のみで医療チームを結成するのが望ましい
  • もっと検査を広めた方がよい(民間に協力)
  • 重篤者は行政検査で対応
  • 医療が崩壊しなければ、重篤患者でも対応できる
  • 各種予防接種などは積極的に受けてほしい
  • 風邪のような症状であれば、普段通り市販の薬を飲んでも問題ない

岡部先生のまとめ

 本市では4月1日、1日あたり最多の8名の感染者が確認され、翌2日にはご遺体からコロナウイルスが確認(調査中)と発表されています。

http://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000115886.html

 日々状況が変わる中、約8割の感染者の方は新たに感染させていないというのであれば、やはり重要なのはクラスター対策ではないでしょうか。しかし一方で、イベントが全て無くなってしまったお花屋さん、歓送迎会が全てキャンセルになった居酒屋さん、売上が前年度比9割減の旅行代理店さんなど様々な業種が既に大打撃を受けています。感染拡大、クラスターを防ぐため自粛を求めるのであれば、しっかりと枠組みを示した具体的かつ明確な補償(補填)を一刻も早く打ち出すべきです。

 引き続き。


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