排水樋管周辺地域の浸水に関する検証委員会(第3回)①
3月13日(金)、排水樋管周辺地域の浸水に関する検証委員会(第3回)が行なわれました。
※以下、検証委員会で配られた100ページを超える配布資料です。
http://www.city.kawasaki.jp/800/page/0000115895.html
スケジュールでいきますと、今回が「中間とりまとめ②」ということになります。
新たに示された情報の一つとして、当日の組織体制。
それに伴い課題として挙げられたのは、大規模災害時の応援体制の再構築でした。
山王地域について
以下、山王地域について重点的に記載させていただきます。
まずは浸水状況の変化、
続いて丸子ポンプ場の活動状況、
そして挙げられた重要な事実
多摩川増水時丸子ポンプ場へ流入する構造、一方で丸子ポンプ場では19時27分には汚水用ポンプを雨水排水用に切り替える緊急措置に陥っている状況、山王排水樋管ゲート操作マニュアルの中には、丸子ポンプ場の状況を踏まえと記載があるのにも係わらず、下水の性状(物の性質や状態)について中部下水道事務所と情報を共有していなかったという事実も明らかに。
加えて、閉鎖の判断のきっかけは丸子ポンプ場から送られる汚水を処理している加瀬水処理センターからの要請(12日22:27)であり、樋管ゲートを管轄している中部下水道局の判断ではなかったことも。管轄をしている中部下水道局による山王排水樋管ゲート閉鎖への「総合的な判断」という文言の中身は、とにもかくにも降雨がある若しくは降雨の恐れがあるか否か?そして丸子ポンプ場の水没(機能停止)2点だったことも明確に。
ちなみに、同資料には、12日22時30分の山王地域浸水状況も掲載がありました…
これだけの浸水が発生し、拡大を続けているのにもかかわらず、この時間まで加瀬水処理センターからの要請があるまで、ゲート閉鎖の判断をしなかった。
一方で以前にも、ブログでご紹介した丸子雨水幹線の状況は、
16時47分満管、満管になるまで貯留効果を発揮とありますが、逆流の影響がなければ、グラフの様な急激な水位上昇が抑えられ、8,200㎥の貯留機能を最大限発揮できたことは改めて指摘させていただきます。
浸水シミュレーションによる検証結果
ゲートを閉鎖した場合の浸水被害も検証するという浸水シミュレーション。全ては総合的な判断によって樋管ゲートを閉鎖しないというマニュアル通りの行動が正しかったのか、否か。
①検証方法
②結果
少し分かりにくいので、以下当日の降雨においてゲート開での浸水状況です。
次に、以下ゲートを15時に閉めた場合の浸水状況です。
ゲートを閉めた場合の方が、浸水被害が小さくなったことが明らかに。
一方で②と③の図は当日の気象予報通りに降雨かつ既往最高水位で収まっていた場合のゲート開、ゲート閉のシミュレーション結果。
○山王排水樋管の検証シミュレーションによる結果のまとめ(本市資料から抜粋)
- 避難判断水位A.P+7.60mまでにゲート閉鎖をした場合、今回の降雨においては、結果として浸水規模は小さくなる。
- 気象予報どおり降雨及び多摩川が既往最高水位で収まっていた場合は、ゲート開を維持することで、浸水規模はゲート閉鎖時とほとんど変わらない。
- ゲートが22:52に閉鎖できた場合とゲート閉鎖に時間を要した場合において、浸水解消時間が早まることが確認されたが、浸水規模はほとんど変わらない。
ここまでが排水樋管周辺地域の浸水に関する第三回検証委員会、中間とりまとめ②においての検証部分です。結果論で言えば、15時の時点でゲートを閉鎖することにより、タワーマンションをはじめ浸水被害を免れた方が多くいたのは明らかになりました。しかし、当日の予報通りに降雨があり、多摩川の水位が過去最高を更新(想定外)しなければ、被害は変わらなかったという検証結果も。少し気になるには、この資料の最後には第三者(有識者)からの意見がまとめてありますが、検証に関する言及の記載がないこと。
住民の方からは第三者による検証委員会設置の要望があることを鑑みれば、この検証過程(方法)についても有識者から意見聴取するべきではないでしょうか。
検証資料に対する市民の皆様からの意見聴取は3月18日から始まります。
今後の対策についても検証委員会で取り扱われていますので、また後日、ブログでご紹介できれば。
引き続き。