日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2019年11月29日

第5回市議会定例会代表質疑①市民ミュージアム復旧事業費について

 11月25日より、12月18日までの日程で本会議が開会しました。初日は各会派からの代表質疑、何に対する質疑かと申しますと、12月議会で市から提案された補正予算その1~3のうちのその1のみ。

 理由は台風19号で被災された方々に対する補正予算の為、特に急いで採決をする必要性があり、初日から代表質疑という日程になったわけでございます。

以下、議会用語解説です。

  • 補正予算とは…補正予算とは、当初予算調製後に生じた事由に基づいて、既定の予算に追加や変更を加える必要が生じたときに調製される予算です。(会津若松市HPより)
  • 先議とは…緊急を要する議案について、あらかじめ予定された採決日によらず会期の途中で議決することをいいます。(京都府議会HPより)

 その質疑の大役を、日本共産党川崎市議団を代表して、私が担当することになりましたので、以下質疑内容、答弁も含め数回に分けてご報告いたします。

緊張で、終わったあと酸欠気味に…

市民ミュージアム復旧事業費について

歳出額21,000,000円 

(概要)台風19号により被災した、市民ミュージアムの復旧に向けて、倉庫の賃貸料や、収蔵品の運搬料を計上するもの。

市民ミュージアムについてです。(担当片柳市議)

 指定管理にあたり2016年4月に市民文化局が示した仕様書では「災害対応マニュアル等の作成」という項目を設け、「対応マニュアルを作成し、適宜必要な訓練や講習等を実施すること」とされていました。また、これを受けた、共同事業体による応募した際の事業計画書には「ハザードマップの確認」との項目が示されていました。しかし事前の調査で、その実態は「市民ミュージアムがハザードマップのどこの位置にあるのかの確認を行うこと」にとどまっており、「今年5月の職員全体朝礼で館長からハザードマップに関する話を行った」とのことでした。

 議案第187号で計上された2100万円の補正予算は、被災した収蔵品を保全するために冷凍倉庫に移動し、保管するためのものとのことです。すでに収蔵品にカビなどが発生しているとの状況も報告されています。質量ともに全国有数の重要な収蔵品群について、これ以上状態悪化しないよう保全することが取り急ぎ求められるため、この予算は必要なものと考えます。しかし、市民ミュージアムのある等々力はハザードマップ上でも5mを超えて10mまでの浸水が予測されていたことからすれば、市民ミュージアムの収蔵庫が地下に置かれていたことも含め、水害対策がどのように行われていたのかは検証されなければなりません。

 ハザードマップの浸水深に応じた対応マニュアルの作成や訓練や講習などが行われていたのか、伺います。ある市民ミュージアムの関係者は「過去に収蔵品を上層階に移すべきと検討されたことがあった」と述べていますが、ミュージアム内部ではどのような検討が行われたのか、伺います。

答弁

 はじめに、災害対応マニュアル等についてでございますが、指定管理者におきましては、様々な危機事象に対応したマニュアルを整備しており、ハザードマップを意識したものではございませんが、風水害対策として、排水溝の清掃や土嚢、排水ポンプの定期点検などの日常の予防対策をはじめ、大雨洪水警報の発令時等には、担当の増強、建物内外の巡回や資器材の点検、排水ポンプの作動確認などの実施を定めております。

 また、 5月の全体朝礼の中でハザードマップを確認したものを除き、訓練や講習は実施されていないと伺っております。次に、収蔵庫の移転についてでございますが、公式に検討された事実はございません。

再質問

 被災した収蔵品の移動についてですが、貴重な美術品や文化財であるうえ、被災しているのですから、収蔵庫からの取り出しや梱包、移動、さらには冷凍倉庫への仮置きと保管などの際の取扱いにも専門性が求められます。輸送する業者や保管する業者は、美術品や文化財への取り扱いを行うだけの専門性を持っているのか、伺います。

 被災した収蔵庫のどこに、どのような収蔵品があり、その収蔵品ごとにどのような取り扱いが必要となるのか、一般的な専門知識とともに市民ミュージアムの収蔵品についての知識も必要です。過去に市民ミュージアムに勤務していたスタッフなども含めて、経験や専門知識を持つ外部の方々に力を借りることが必要と考えますが、伺います。

答弁

 はじめに、収蔵品の搬出等についてでございますが、その取扱いに専門性を要する収蔵品につきましては、既に専門の事業者や専門的知識を有する方々にお願いをしており、今後につきましても同様に対応してまいります。

 次に、収蔵品レスキューについてでございますが、日頃から収蔵品を取り扱っている指定管理者の学芸員を中心に、国立文化a井幾構などから派遣される専門家の助言を得ながら作業を進めておりますので、外部からの支援につきましては、必要に応じて、お願いしてまいりたいと考えております。

 

 答弁に対しての要望については、総務委員会と赤石市議が担当し27日に行われた代表討論で述べさせていただいておりますので、改めてご報告いたします。


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