日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2025年1月24日

保育士等、福祉職員の賃金と配置基準の引き上げにむけて国に意見書の提出を求める陳情審査

福祉職員の賃金と配置基準の引き上げにむけて国に意見書の提出を求める陳情審査が行われました。

審査の際に示された資料はコチラhttps://www.city.kawasaki.jp/980/cmsfiles/contents/0000164/164975/0123-1(1).pdf

陳情本文は以下の通りです。

福祉職員、特に保育士さん達からは私のところに多くの声が届きます。また民間団体と大学生たちが行った川崎保育実態調査報告の資料も情報提供いただき審査にのぞみました。以下、私の質疑になります。

※正式な議事録ではありません。(時に市側の答弁は私のメモなのでニュアンス程度に)

市の考え方いついて

Q1 賃金等の処遇と配置基準の改善は川崎市として国に求めているのか?

A1 保育の質の担保の上では本市としても必要なことと考えている。昨年度は配置基準の改善要望を行った。今後も検討していく。

Q2 処遇の改善についても要望するべき。

A2 国の処遇改善等加算について要望を行っていく。

Q3 東京都と比べると賃金差が大きく、川崎に住みながら東京で働く保育士さんが多い。川崎市も独自支援に取り組むべきだが、公定価格にある地域区分の課題もあるのは事実。東京と川崎では地域区分の影響でそもそもの公定価格が違う。陳情にも「地域に関係なく」とある。地域間での賃金格差の是正も国に求めるべきでは?

A3 地域区分の設定は国家公務員の基準が使用されているため、改定を求めるのは難しい。

要望 多摩川を挟んで隣は東京都。本市の立地条件を考慮し、地域区分の改定という方法にこだわらず地域間格差の是正を国に求めて欲しい。

賃金について

Q1 陳情文の中に「フルタイムで300万以上となるように」という点について、本市の資料では5ページに

処遇改善Ⅰ~Ⅲの説明があり賃金改善対象者とあるが、正規、非正規問わず要件が合えば対象となるのか?

A1 フルタイムで要件を満たせば正規、非正規を問わない。

Q2 先日民間団体と大学生らが川崎市内の保育実態に関する共同アンケート調査を行い、保育者の処遇改善や保護者の費用負担軽減などを福田市長あてに求めたと記事にあるが、このアンケート結果は目を通したか?

https://mainichi.jp/articles/20241219/ddl/k14/040/060000c

A2 拝見した。

Q3 その資料によると、非正規で働く保育士さんのうち、年収300万円以下なのは公立71.5%、社会福祉法人87.6%、株式会社91.7%という調査結果となっている。公立保育園でさえ7割、社旗福祉法人、株式会社では約9割が年収300万円以下という状況。市の見解は?

A3 労働基準法に不適合でなければ、各事業者の雇用契約によるため、回答は難しい。

Q4 次に正規の保育士について陳情の資料では、4ページに平均年収の推移が示され保育士は397万円となっている。

正規の保育士さんであれば年収300万円は支給されているように映る。しかし実態調査によると、正規保育士で年収300万円以下は公立10.1%、社会福祉法人39.5%、株式会社52.7%と開きがある。同じ算出方法で運営費を支給しているのに、なぜこのようなことになるのか?

A5 この資料自体まだ精査しておらず、回答はできない。今後、意見交換等の時間を作っていく。

Q6 意見交換はぜひ行って欲しい。この調査を見る限り、いくら国や自治体で処遇を改善しても、結局保育士さんにその改善が届くのかは保育園次第ということになるのではないか?やはり人件費の弾力運用に課題がある。本市も世田谷区のように運営費における人件費比率の規制を設けるべきではないか?

A6 人件費比率が低い保育園があることは認識しているが、規制を設けることが最善かは検討していく。ただし処遇改善加算はしっかり保育士へ支給されているかは監査等で確認しており、やれることはやっていきたい。

今の川崎の保育士さんの働き方について

Q1 若い保育士さん達からお話を伺った。変則労働制とはどのようなものか?

A1 月ごとに就労時間を決めて働く制度と認識している。

Q2 直接お聞きした保育士さんは、月170時間内で勤務する。8日間休暇を取る。決まっているのはこれぐらい。あとはギリギリの配置人数で保育を回す。延長保育、土曜保育、誰でも通園制度、一時保育、障がい児の保育 毎日出勤時間がバラバラ ギッシリとシフトが組まれているので有給・連休なんてほぼ取れない。友人の結婚式にも出席できない。忙しすぎてこのままでは大好きだった子どもが嫌いになりかねない。保育の質なんて後回しの状況。同僚の保育士は次々とやめた。潜在保育士は増える一方だと思う。

保育士の配置状況を聞くと、ぴったり国基準。国基準では全く足らない状況が実態です。お話の中で、特に1歳児クラスの担任がものすごく大変とのこと。1月20日議員宛に情報提供があった「保育の事業運営に関するアンケート調査結果報告」を見ると、市加配をフルで活用すれば1歳児6対1のところ4対1も可能だと書かれている。これは事実か?

A2 状況にもよるが可能。

Q3 業務過多なのに市加配が行われていなかったのはなぜか?

A3 個別の案件なので回答は難しい。

Q4 以前から保育士を確保する際、「事業者側の負担もある」という答弁をしていた。実際に声を聞くと保育士の確保のため派遣会社へ依頼すると100万円以上かかる。その費用については何の補填もない。人材確保の課題についてどのように改善、支援していくのか?

A4 学生や潜在保育士への公立保育園での保育体験、マッチング、各園の募集情報を集約した情報をHPに掲載する等、保育に興味を持ってもらえる。保育が楽しいと思ってもらえる取組を行っていきたい。

Q5 そもそも市加配を100%補填する考えはあるのか?

A5 使える支援策は活用してもらうよう取り組んでいきたい。

要望 しっかり100%というKPI(目標)を持って、PDCAサイクル等も活用しながら、確実な市加配をお願いしたい。

陳情の取り扱い

 今日の議論の中で「保育の質」というワードもありました。民間団体の実態調査報告書では、保育の質を改善する上で重要なことという設問に対し、賃上げ、処遇改善68.6%職員の増員61.9%という結果になっています。これが川崎市の保育現場からの声、実態であり、職場環境の改善は川崎の子ども達に直結するものです。

 この陳情はまさにこの2点の早期の改善を国に求めるものですので、大いに賛同できるものであり、意見書は出す。取り扱いについては、採択でお願いします。

他党の取り扱い

「趣旨としては賛同できる部分もあるが時給1700円の根拠が不透明」

「時給を1700円にしたからといって解決できることではない」

「労働基準法が守られていない。という趣旨は理解しがいたい」

等の理由で意見書は出さない。陳情は不採択で多数となり、審査結果は不採択となりました。

あとがき

不採択を主張した他党でしたが、議員の中には本市の不十分な家賃補助制度を指摘も。その通り!

でも。

時間単価1700円の根拠はフルタイムで勤務した場合、年収300万円となる時給なのでは?

保育士等の処遇改善を進めるために年収300万円以上の確保は最低ラインだと思うのですが…

川崎の保育士さん達の声に答えるために、川崎市議会として国に意見書を出したかったなぁ~

引き続き。


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