社会福祉法人 ぽぽんがぽん
2日目の午前中は大阪茨木市にある社会福祉法人、「ぽぽんがぽん」様へ
「社会福祉法人ぽぽんがぽん」とは
障がいを持つ人々が、地域社会において、健常者と同じように働き、生活し、余韻を楽しめるような社会を実現することを目的として設立。
頂いた資料の中の設立趣意ではこんなメッセージが…
これまで、多くの障がい者は親がかりの生活を強いられ、親亡きあとは、施設での生活という選択肢しかありませんでした。療育、保護、更生の名のもと、ともすれば障がい者を施設に分離し、「何でも一人でできる」ための訓練に主眼がおかれてきました。障がい者が、一人の人間として、自立した生活を営む為の支援やそのような環境作り、いわゆる「社会モデル」の考え方に基づいた取り組みが充分に行われてきませんでした。
中略
私たちの考える自立とは、決して「何でも一人でできる」ことを指したものではなく、相互に支えあう社会のなかで、必要な支援を使い、充分な情報のもと「自分のことは自分で決める」ということです。
障がい者に対して未だ恒常的に排除や人権侵害が続けられている事実があるなか、障がい者が当たり前に地域で自立生活するためには、身近な支援者と共に、障がい当事者が自らの権利を獲得・擁護していくこと(セルフアドボカシー)が、必要不可欠です。
中略
障がいがあってもなくても、誰もがあたりまえに地域で共に学び、共に働き、共に暮らすことができる社会、笑顔あふれるつながりあえる社会の実現に向けて、障がい者支援にとどまらず、インクルーシブな保育・教育期の支援事業や、インクルーシブな高齢者の支援事業へ展開を目指します。そして、当事者主体の支援を実践し権利擁護の街づくりに取り組んでいく所存です。
※インクルーシブル(教育)とは…(茨木市議会答弁より抜粋)
インクルーシブ教育:障がいのある子どもと障がいのない子どもができるだけ同じ場で共に学ぶことを目指すもの。
その実現のため、必要な合理的配慮が提供され、個別の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であるとされている。
特別支援教育:障がいのある子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高めるため、適切な指導及び必要な支援を行なうものであり、インクルーシブ教育システム構築のためには必要不可欠。
「ヘルパーは3歩後ろを歩く」
「防災(避難所)についてバリアフリーの観点で議論した時、そもそも学校にあたりまえに障がい者がいる環境だったなら、バリアなんてとっくになくなってるんだから議論する必要もなくなる」
なかにはサービスとして捉える方もおり、帰り道にお菓子を買い食いさせたら、親御さんから「はしたない」と指摘され契約を解除されるケースも…
綺麗ごとだけじゃやなく、様々な現実、時にはジレンマを抱えながら、法人理念
「笑顔あふれ つながりあえる社会」
の実現のため、情熱と冷静な視点も忘れないお話を、ただただ、感服させて聞かせていただきました。
帰り際に
「そういえば…」と見せて頂いた資料。
合理的な配慮を進める事業者に助成金支援。上限はあるものの、なんと100%助成。以下、茨木市HPより抜粋です。
誰もが自由に安心して快適にでかけられるまち、そして利用しやすい施設が「あたりまえ」のこととなるように、茨木市では、「大阪府福祉のまちづくり条例」及び「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(通称:バリアフリー法)に沿って、市民と建築主、設置者及び監理者の理解と協力を得ながら、ひとにやさしいまちづくりの推進に努めていきます。
随所に出てくる「あたりまえ」という共通キーワード。茨木市では事業者、行政、まちが一体となってまだ見ぬあたりまえの社会の実現に向け取り組みをすすめておられます。
以下、ぽぽんがぽん様のHPです。
ぽぽんがぽん様、お忙しい中のご対応、ありがとうございました。