日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2024年4月18日

ようやく動き出した不登校対策

2024年度一発目の文教委員会。

教育委員会から不登校対策の充実に向けた指針(案)の策定について報告がありました。

横浜市は2020年から体系的に不登校対策を実施。遅れること4年。ようやく本市も体系的な不登校対策に向けた指針(案)が示されました(過去の議会でも遅れを指摘)。

※4月22日よりパブリックコメントが行われるとのことです。

0418-2(1)1.pdf (city.kawasaki.jp)不登校対策 概要

0418-2(1)2.pdf (city.kawasaki.jp)不登校対策指針(案)

以下、委員会での私の質疑となります(教育委員会側の答弁は書き留めたメモがベースとなっています)

設問1 連携する関係機関について

不登校対策は喫緊の問題であり、教育委員会総動員で行っていくべき課題です。提供資料をベースにいくつか確認、要望、質問して参ります。【概要2ページ】

関係する市長事務部局と連携とあるが、こども文化センターにふらっと来る児童生徒もいるとお聞きしている。こども文化センター(指定管理者)との連携強化を図るべきでは?

答弁

今後、こども文化センターも含めた関係機関との連携も含め検討していく。

設問2 支援教育コーディネーター業務拡大で良いのか?【概要3ページ】

 「チーム学校」による支援の記載に、支援教育コーディネーターを中心としたと記載がある。ただでさえ支援教育コーディネーターは忙しいのに、本当に不登校対策まで手が回るのか懸念が残る。横浜市は不登校児童生徒支援コーディネーターを配置。 学校、フリースクール、教育委員会、保護者等との情報交換や連携を促進するコーディネーター制度を創設している。本市でも不登校に特化した職員配置 制度の検討は?

答弁2

支援コーディネーターを支える支援体制も含め検討していく

設問3 ゆうゆう広場の目的は在籍校の復帰?

ゆうゆう広場の記載に在籍校の復帰を目指すとある。不登校対策の目的は在籍校の復帰ではないと思うが、成果数値、KPIを設けたりするのか?

答弁3

学校に戻りたいとする児童生徒の想いに答えていく環境整備という意味合い。

設問4 高等学校等における不登校対策とは?

概要の4ページ。高等学校等における不登校対策の充実とは? 具体的に?

答弁4

例えば、市立定時制高校に設置された居場所カフェといった取組のこと。

要望

視察に行ったこともあるが、定時制の生徒の居場所として有効であると考える。引き続き、維持と充実を。

答弁5 保護者、子どもへの相談先の周知

指針8ページに不登校児童へのアンケート調査がある。そこに、「小学校の最初にいきずらいと感じたはじめてのきっかけは」という問いに対し「先生のこと」が最多。

なかなか担任の先生には相談できないことも想像できる。担任の先生以外の相談先を保護者と子ども達へ明確に繰り返し周知をするべきでは?

答弁5

重要な取組なので周知、情報提供に努めていく。

設問6 別室指導

指針20ページ、学校へのアンケート調査でも課題として挙げられている人手不足。

今年度8校でモデル実施 具体的な人員配置の状況は?

答弁6 

中学校⇒非常勤講師、小学校⇒委託で調整中、ボランティアも併せて募集中

設問7 設置スケジュールは?

資料概要版5ページ取組4でも「全ての学校において自分の教室に入りずらい児童生徒が、学校の中でいつでも安心して学習や生活ができる環境を整える」とある。全ての学校への設置、それに伴う環境整備を急ぐべきでは?

答弁7

今年度モデル実施後、検討していく。

設問8 保護者の付き添い制限についての見解

朝は保護者付き添いなし。遅れたら付き添いあり。特に就労中の保護者から負担になるとの声も届いている。付き添い制限の状況、市の見解は?

答弁8

こどもの安全を最優先に考えながら保護者の実態、声を聞いていく。

設問9 ICTの活用

指針24ページ、不登校でも学校の授業をつなげて学んでいる児童がいる。どの程度進んでいるのか? 全校実施を行っていく方向なのか?

答弁9

オンラインまたはドリル等、希望はそれぞれあるので状況に応じて対応していく。

要望

個々のこども達の要望に応えられる学校の環境整備の支援に取り組んでほしい

設問10 魅力ある学校づくり

指針9ページの不登校児童へのアンケート

学校に行きづらくなる理由に「テストの点がよくなかった」

指針31ページ【取組1】

自己肯定感が高まるよう進めていくとある。一方で川崎市学習状況調査の結果では全国平均と本人の点数が併記される。個々の学びに応じた対応から逸脱しているのではないか?そもそも実施事業者であるベネッセ独自のテストで、他の実施自治体も不明。全国平均の根拠すら明確でない。併記するのをやめるべきでは?

答弁10

そういった指摘も含めて検討していく。

設問11 国の指針に基づく校則の見直しの推進について

魅力ある学校づくりに関連して、概要版2ページ目に国の動向「誰一人取り残さない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」の記載がある。

昨年3月に文科省から出された通知は目を通されましたか?

【セット】誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策について(通知)r (mext.go.jp)

(うなずく)

その通知の中で、「チーム学校」での取組として「学校風土の見える化」の紹介があります。

【別添2】学校風土の把握ツール (mext.go.jp)

その中で、「児童生徒が主体的に参加した校則等の見直しの推進」と記載されています。

子どもの意見、権利を尊重した不合理で理不尽な校則の見直しも併せて行っていくべきだが、校則の見直しについての記載がない。その認識は? 加筆するべきでは?

回答11

パブコメの意見も含めて検討していく

設問12 現在の先生の欠員・未充足の状況は?

同じく31ページ(取組1)「教職員が児童生徒一人ひとりにしっかり向き合えるよう…」とある。ところで、新年度がはじまり、4月時点の教職員の欠員、未充足の状況は?

答弁12

把握していない。

意見・要望

なぜ、深刻な課題となっている先生の欠員・未充足の状況を教育委員会としてリアルタイムで把握していないのか?先生が不足しているなかで、1人ひとりに向き合うたことなど可能なのか?先生の欠員の状況は不登校対策の根幹であり、教育委員会全体で状況を常に把握するべき。現在の欠員・未充足の状況の報告をお願いしたい。

設問13 保護者への支援、情報提供

37ページ

「不登校に関する様々な情報へ容易にアクセスとある」関連して届く相談として、給食費の支払い。支払いを止めてしまうと、いざ学校に行ったときに給食が提供されないのではないか?という懸念から、給食費を負担し続けている状況がある。実際の対応状況は?

答弁13

明確な答弁なし。

要望

実際には予備食を学校に配食しており、給食費の支払いをしていなくても、給食は食べられると聞いている。その点もしっかりと周知した上で保護者に判断してもらうべきでは?

要望への答弁

そういった点も含めて丁寧な情報提供に努める。

設問14 不登校の親の会等との連携について

不登校の親の会に参加していると感じるのは、「不登校の子どもの居場所は家」ということ。一方で保護者は自分を責めて、時には「学校に行くのが当たり前」という価値観を押し付けてしまい、苦しんでいる。子どもは親の状況をよく見ていて、親が元気になれば、子どもも明るくなるというケースもお聞きしている。保護者への支援は重要。親の会との連携とは具体的に何を行うのか?

答弁14

不登校の親の会を含めたネットワークがあるので、情報共有を行っていく

設問15 パブコメの周知を

情報共有だけではなく、実態の把握の為にも定期的な意見交換も行って欲しい。また、このパブリックコメントは親の会を含めたネットワークに周知していくのか?

答弁14

周知していく。

質疑は以上となります。改めて、不登校対策は教育委員会総動員で取り組んでいかなければならない喫緊の課題だと思います。横浜から大きく遅れて始まる体系的な取組、ぜひ4月22日より開始されるパブコメで、当事者の方を含めた忌憚ないご意見、ご要望をお寄せ頂けたら幸いです。


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