代表質問・抜粋 【市立高校改革】
※正式な議事録ではありません。
市立高等学校改革に関する検討状況についてです。
設問1
高校進学率が99%に達する今日、市立高校には、憲法26条、及び教育基本法第4条の理念を具現化し、家庭環境や経済状況等にかかわらず、川崎のすべての子どもたちに教育の機会を保障する重要な役割が求められていると私たちは考えます。8月の文教委員会で示された資料には、
資料はコチラ⇒https://www.city.kawasaki.jp/980/cmsfiles/contents/0000186/186120/0808211(4).pdf
川崎、橘、高津、総合科学の定時制が幸高校に統廃合され、全日制では高津高校は現校舎の改築を行い、国際バカロレア教育を導入し中高一貫教育校となります。川崎高等学校・付属中学校は6年間で一貫した教育課程を編成できる中等教育学校となり福祉科、生活科学科が廃止されます。幸高校は午前、午後、夜間部の定時制課程と通信制過程を設置し単位制普通科高等学校となり普通科、ビジネス教養科が廃止されます。川崎総合科学高校は高等専門学校で活用するため、2028年度定時制課程、29年度全日制課程の募集を停止し事実上の廃校となります。

各校、各科は創立以来、教職員による様々な工夫と努力で生徒と共に特色ある市立高校を作り上げてきました。それに対する敬意が感じられず極めて一方的で乱暴な検討状況です。廃止、廃校ありきではなく、5月の文教委員会の報告資料にあった生徒達への簡易なアンケートで終わりではなく、現場の教員、卒業生、生徒たちの声を丁寧に聞きとり、教育委員会として各校、各科の取組の検証、総括を実施するべきです。伺います。
答弁(教育次長)
市立高等学校改革についての御質問でござ_いますが、はじめに、市立高等学校の取組の検証等につきましては、現行計画に位置付けられている、既存5校の取組について、令和6年度末に検証を行ったところでございまして、その中で、市立高等学校改革に関する新たな計画の策定に向けて、取り組むこととしたものでございます。
再質問
答弁では「令和6年度末に検証を行い、新たな計画策定に向けて取り組む」とのことです。その検証報告書にはインターンシップの実績や入学者選抜の競争率、生徒の異動状況等、様々な数値が並んでいますが、教員や生徒、卒業生、地域からのヒアリングの様子がありません。
検証報告書https://www.city.kawasaki.jp/880/cmsfiles/contents/0000115/115278/kenshouhoukoku.pdf
島根県立隠岐島前高校は高校改革を進める上で行政が一方的に再編成を決めるのではなく、地域住民、学校、生徒が対話を重ね、「生徒が主役となる学校」を掲げて取り組んだ結果、倍率はブイ字回復をはたし、市教委が言うところの「選ばれる高校」となりました。
島根県立隠岐島前高校HPhttps://www.dozen.ed.jp
川崎の市立高校が独自で積み上げてきた取組、実績は市の財産です。廃止、廃校ありきにせず、その当事者である教員、生徒、卒業生や地域の方達と対話を重ね計画策定を行っていくべきです。伺います。
答弁(教育次長)
新たな計画につきましては、令和6年度に行った検証を踏まえ、既存5校の延長線上ではなく、今後のあるべき姿から検討を進めてきたものでございまして、今後、行政計画としてパブリックコメント手続きを経て策定する予定でございます。そのうえで、新たな計画に基づく具体的な取組の実施に当たりましては、学校関係者とも対話を重ねながら具体化してまいりたいと考えております。
意見
市立高校改革についてです。廃校が示された総合科学高校の歴史は1935年に遡ります。戦後の再編を経て1949年から数えても、教員、生徒、保護者、地域が共に築きあげ、川崎の子ども達の学びを支えてきた75年以上の歴史があります。それは事実上の廃校となる、さいわい高校も同様です。こうした各校の歩みを現場の声も聞くことなくトップダウンで一方的に断ち切ることは断じて容認できず、あまりにも教育現場を軽視した計画と言わざるを得ません。答弁にあった「新たな計画に基づいて、取組の実施前提」で対話を重ねるのではなく、教員、生徒、卒業生らの声と歴史を尊重した計画ありきでない対話を重ねることを強く要望します。
定時制の統廃合についてです。
現在の4校の定時制は「セーフティーネットとしての機能向上を図る」ために廃止され、幸高校に統合されます。3部制の定時制、及び通信制を設置することで機能向上が図られるという考えのようですが果たしてそうでしょうか。
先日、高津高校定時制を視察しました。

全校生徒70名のうち60名が高津区、宮前区、中原区、多摩区など隣接区から通学しており、一方で、地域での人間関係に困難を抱え、あえて遠方の川崎区や幸区から通学している生徒もいることがわかりました。また、生徒の約8割が不登校経験者であり、それぞれが様々な困難や生きづらさを抱えながら、少人数の教室で落ち着いて学んでいる姿を見ることができました。校長先生のお話では、学校に通い、教室での学びや、多様なイベントを行う居場所カフェ、部活動を通じ生徒同士がゆっくりと交流を深めるなかで成長し、卒業時には「卒業アルバムの寄せ書きに、こんなにたくさんの友達から書いてもらったのはじめて」と嬉しそうに校長先生のところへ報告に来る生徒もいるとのことです。定時制はたんなる学びの場所ではなく、生徒たちが安心して通える居場所です。市内4校に分散されていた定時制をわずか1校に統合することは、様々な困難を抱える子ども達から選択肢を奪うことになり、セーフティーネットの機能向上どころか、後退となるのではないでしょうか。学級数の見直しも行いながら4校の定時制も維持すべきです。伺います。
答弁(教育次長)
定時制課程につきましては、不登校経験のある生徒や何らかの支援を要する生徒などの増加に伴い、一人ひとりの個性に合わせた多様な学習機会を提供できる仕組みが必要であると考えております。そこで、幸高等学校において、3部制の定時制課程に加えて、通信制課程を備えることで、現在よりも広範囲の生徒に対して、学習機会を保障できるものと考えております。
再質問
答弁では「3部制の定時制課程、通信課程を備えることで、現在よりも広範囲の生徒に対して学習機会を保障できる」とありました。学習の機会の範囲を聞いているのではありません。不登校やいじめ等、様々な事情を抱えながら、多くの生徒が近隣の地域から通っていたり、またあえて居住地域を離れ通う生徒もいます。4校ある定時制を1校に削減することは、居場所としての選択肢を奪うことにならないのか聞いているのです。この統廃合は憲法26条、教育基本法4条の理念に照らし、誰ひとり取り残すことなく、すべての子ども達の学ぶ権利と居場所を保障できると考えているのか、具体的な根拠も含め、教育長に伺います。
答弁(教育長)
不登校経験のある生徒や何らかの支援を要する生徒などに対して、学習機会を保障するためには、一人ひとりの個性に合わせて学びを選択できる出且みや、安心して学校生活を送ることができる環境を整備することが必要であると考えております。
そのため、幸高等学校において、3部制の定時制課程と通信制課程を設置し、さらに課程替えや併修ができる仕組みを導入することで、通学距雛に関する希望も含め、多様化する学習二ーズにも応えられる学校とするとともに、社会的自立につなげることができる学校にしてまいりたいと考えております。
意見
(示されたのは統廃合の必要性ではなく、新校の制度説明だけでした)自宅から近い通学を希望する生徒が多数を占める一方で、あえて居住地から離れて通学する生徒が実在します。その背景には生徒一人ひとりが抱える様々な困難があります。なぜその現実に目を向けないのでしょうか。学校に通い、小人数で学び、交流を重ね成長していく川崎の子ども達の大切な教育の場を行政の都合で奪ってはなりません。確かに在校生が少なくなっているのは事実です。しかし現状の定時制によって救われている生徒が一人でもいる限り、学級数を2クラスから1クラスにしてでも、4校の定時制を守っていくべきです。公教育を担う川崎市にはその責務があります。定時制の統廃合は再検討することを強く要望します。



